カーオーディオの取り付け=インストールに関するあれこれを解説している当コーナー。現在は、“魅せる”インストレーションに関しての雑学をご紹介している。今週は、オーディオラックや、インテリアのオブジェがどのように形作られているのかをお教えしていく。“魅せる”取り付けスタイルである「カスタム・インストレーション」では、トランクやリアシート部分に、立体的な“作りモノを”セットすることがよくある。これらがどのように作られているのかと言うと…。多くの場合これらは、ベースとなる部分が“木工作業”で作られ、その上に“パテ”が盛られて作り込まれている。“木工作業”で用いられているのは主に、“MDF”と呼ばれる木質繊維を原料とする成型板だ。そして、最終的に形を整えるためには主に、“ファイバーパテ”が使われる。“パテ”とはペースト状の材料で、主剤と硬化剤を混ぜ合わせて練り込み、それを盛り付けて使われる。時間を経過させると固まるので、ある程度固まったところで削り、そしてまた再び盛り付け、削り…。これを繰り返して形を整えていくのである。ちなみに、“ファイバーパテ”にも、厚く盛るのに適したもの、細かな成形に適したもの等々、種類がいくつかある。それらを適材適所に使い分け、造形物を仕上げていく。ただし、“パテ”を使い過ぎると、あとあと弊害も出てくる。“パテやせ”という現象が起こるのだ。1年、2年と時間が経過していく中で、造形物の体積が徐々に減少していくのである。それを防ぐためには、“パテ”の使用を最小限に留められるように、できる限りを“MDF”で作り込むことが目指される。有機的なデザインになるほど、“MDF”だけで形を整えていくことは難しくなるのだが、“カーオーディオ・プロショップ”では、センスと技術とを駆使して、“MDF”で大方の形を整えていく。かくして“パテ”の使用量を少なめにしながら形を整え、最後はペーパーで表面を滑らかにして完成させるのだ。また、内張りパネルをベースにして形作ろうとするような場合には、“FRP”と呼ばれる“繊維強化プラスチック”も使われる。こちらは主剤が液体で、それに硬化剤を混ぜて使用する。型となるパーツに布をあてがい、その上に液体を塗っては固める、という作業を繰り返して形を整えていく。このように材料を使い分けながら、“カーオーディオ・プロショップ”は、インテリアの造形物を自由自在に作っていき、「カスタム・インストレーション」を完成させていくのだ。さて、「カスタム・インストレーション」に関しての解説は今回で終了とさせていただく。次回からは新たなテーマでお贈りする。お楽しみに。