アウディ ジャパン(東京都品川区、斎藤徹代表取締役社長)はクルマを置かないバーチャル空間「Audi VRテクノロジー体験イベント」を千葉県の三井アウトレットパーク木更津(2月25、26日)と兵庫県の神戸三田プレミアム・アウトレット(3月4、5日)でそれぞれ実施した。ドイツで開発されたVRヘッドセットで、リアルさとディテールにこだわったアウディモデルの仮想体験が提供された。屋外でキョロキョロしながら、何も置かれていない場所に手を伸ばす。周囲の人が見たら、なんとも滑稽な姿だが、ヘッドセットを装着している参加者はいたって本気。なぜなら、参加者の目の前に確かにアウディ車が“見えて”いるからだ。運転席や助手席に座るのはもちろん、インテリアを間近に観察したり、エンジンルームの中を覗き見るといったこともできる。VR技術は今、自動車業界でも注目の技術だ。例えば、新車ディーラーなどでは展示車の在庫を抱えなくても、カラーバリエーションやパーツを変更した姿を来店者に簡単に提示ができる。また、高級外車ディーラーなど普段は敷居が高くてなかなか近づけない場所も、VRがあることでイベント感覚で体験することができて、手軽にそのブランドを知るきっかけをつくれる。ほかにも様々なメリットが考えられ、その可能性はまだまだ広がりそうだ。アウディはVRを積極的に導入している企業の一つだ。昨年6月にはドイツのミュンヘン空港にあったAudi Forumを「my Audi Sphere」にリノベーションし、アウディのもつ最先端のVR技術を使ったショールームとしてオープンしている。また、2012年にはロンドンで「Audi City」の1号店をオープンし、パリ、北京、モスクワなどの国際的大都市に展開している。Audi Cityはデジタル技術と実際のディーラーの強みを融合したショップで、好みのアウディモデルを自分用にカスタマイズし、ほぼ実寸大のスケールでスクリーンに映し出すことなどのバーチャル体験ができる。今回の体験イベントは、同様の試みを日本でも導入することへの取り組みの一環だ。アウディ ジャパンではこのような最新技術の取り組みをはじめ、様々なイベントを通してエンドユーザーにアウディブランドの浸透をすすめていく方針だ。