いすゞは自社で保存している歴代車両の一部を報道陣に公開し、撮影会を行った。これらは、技能伝承、文化遺産伝承の目的でレストアされたものも含まれている。今回公開された車両は12台。そのうち6台はトラックやバスなど、今のいすゞにつながる貴重な車両であった。いすゞの前身にあたる石川島自動車製作所が製造した昭和7年式の『スミダM型バス』は、実走可能で現存するおそらく最古の国産バスで、経済産業省の近代化産業遺産に認定されている。スミダM型バスは乗り合いバス事業の普及とともに、公共交通網の近代化に貢献した。『TX80トラック』は、1946(昭和21)年に生産が開始され、大型長距離輸送の先駆けとして日本の復興に大いに貢献した。このブルーは、当時のオーシャンブルーを再現したものだという。今に至るまで連綿とそのブランドが続いている『エルフ』は、日本初のフルキャブオーバートラックとして1959年にデビュー。当初はガソリンエンジンのみで、そののちディーゼルエンジンが追加された。続くエルフ2代目は1968年に登場。ブルーのボディカラーが採用されたのもこのエルフからだ。数多くのバリエーションが追加された。今回は1993年に登場した5代目も参加。1995年には生産累計300万台を達成した。そして、最後は現行モデルでもある『エルガ』だ。前述のスミダから続く路線バスの最新車両で、モーターとディーゼルを組み合わせたパラレルハイブリッドモデルもラインナップしている。