このような状況に目をつけて参入をした日本人が、RYO AKI TAXIの代表である濱田氏だ。現在、メトロマニラにおいて、単独経営における最大規模のタクシー車両を保有・運行している。
タクシー業界に信頼と安心のサービスを導入すること目的に、個人でタクシー車両5台を購入しトライアル。2011年に RYO AKI TAXI Inc. を設立して本格的にタクシービジネスを開始した。インタビューを行った2016年9月現在、タクシー事業、レンタカー事業において、総数500台近い車両を保有している。単独経営の会社としては、メトロマニラで最も多い車両保有台数企業である。短期間で大成長を遂げた。
一方で課題は、サービスの概念が低く、サービスの品質をしっかりと維持継続していくことだ。更なる社内文化の構築と伝承のために、濱田氏は今後、従業員とともに暮らせる移住食などが整ったRYO AKI CITYの実現も目指している。ビジネスをただの小売業やサービス業だけにとどめることなく、住宅の確保、生活の確保、教育の確保、職の確保とつなげることで人・モノ・お金の循環が行える商業都市だという。
今後のタクシービジネスにおける展望は、「投資家のお金を入れて更に車を増やし、メトロマニラにある1万7000万台のタクシーをすべてRYO AKI TAXIにしたい。タクシー業界の品質を向上していきたい」と濱田氏は考えている。これからは、あいさつ、きれい、言葉遣い、安心、安全などのサービスの時代である。タクシー料金が一律であれば、人間だれでも気持ち良いタクシーに乗りたいと考えるだろう。