新東名と東北道での高速道路最高速度引き上げ試行が13日、警察庁から発表された。ただ法定速度100km/hを超える初めての規制緩和には、これまでにない対策も必要だ。最高速度が引き上げられる予定区間には、意外なことに速度標識がない。一般道も同じだが規制がない区間は、法定速度が最高速度になるからだ。110km/hに引き上げる区間は、法定速度を超えるため新たに最高速度を示す標識を設置しなければならない。しかし、これが金属製の丸板に数字の標識ではすまない。天候や事故、工事などで臨時速度規制を行う場合がある場合は、110km/hの表示を消さなければならないからだ。もちろんこうした場合に備えて、高速道路にはLEDで速度表示をする標識がある。が、こうした電光標識には「110」という3桁の数字を示す機能がない。道路を管理する高速道路会社は、新たな標識の設置に追われることになる。一方、110km/h区間を抱える警察本部は事故防止対策に腐心する。新東名(新静岡~森掛川IC)の試行区間のある静岡県警本部交通規制課は、こんなことを運転者に訴える。「開始日が決まったら各警察本部にもご協力いただき、運転者への注意をしなければならないと思いますが、今回の試行は110km/h。120km/hではありません。それに、8トン以上のトラックは今まで通り80km/hで、引き上げはありません」制度距離が延びるためそれに応じた車間距離の確保や、追越車線に長く留まらず走行車線に戻る運転が、これまで以上に必要になる。試行開始は対象区間の改修工事の終了を待たなければならない。準備が整い次第ということになるが、17年度末までのスタートだけに、2018年以降の可能性もある。