「スカイライン」の純正オーディオシステムが複雑な構成だったために既製の“ハイ-ローコンバーター”を用いているが、形としては、「純正オーディオ+『Full Digital Sound』」という、同システムを搭載するときの、オーソドックスな仕様となっている。スピーカー以外の純正オーディオを交換することなく、ハイレベルなサウンドシステムを構築できることも『Full Digital Sound』ならではのメリットの1つ。このクルマでも、そのメリットが存分に生かされている、という次第であるのだ。
製作コンセプトは、「『Full Digital Sound』のポテンシャルを100%引き出し、その魅力を存分に伝えること」である。ドアがカスタムされていて、デモカーとして抜かりなくキャッチーに仕上げられているものの、狙いはあくまでも“音をしっかりと聴かせる”ことにある。ドアのスピーカーはアウターバッフル(スピーカーを内張りパネル面まで立ち上げて、音をロスなく車室内に届けようとするスタイル)で取り付け、“デッドニング”と呼ばれる、ドア内部の音響的コンディションを上げるための加工も十二分に施してある。
つまりは、『Full Digital Sound』の音の上限を聴かせられるようになっている。これを気に入ったユーザーは、ここから何かをプラスする、という考え方をする必要はなく、ここから何を削るか、という思考回路でこのクルマと向き合える。安心して商談を進められるのだ。
なお、“asu.company”のオーディオ担当・小嶺さんは、『Full Digital Sound』の最大の利点をこう捉えている。それは、「リーズナブルであること」だ。アナログシステムでここまでのフルシステムを組もうとすると、ある程度高性能なプロセッサーとパワーアンプが必要であり、それだけで多くの予算が取られてしまう。このデモカーと同等の金額でアナログシステムを組もうとするとき、スピーカーにあてがえる予算が限られてしまうのだ。
しかしながら『Full Digital Sound』では、アンプとケーブルに予算を取られない分、結果として、スピーカーに予算を注ぎ込めるという形が成立する。フルシステムを完成させようとしたとき、今もっともリーズナブルにそれを成し遂げられるものが、『Full Digital Sound』というわけなのだ。
さてその音は、どれほどのポテンシャルを秘めているのだろうか…。期待しながら試聴をスタートさせた。
音が出て真っ先に感じた印象は、「サウンドが“リッチ”であること」。低域のパワー感と伸びやかさに、そして高域の余韻の美しさに、豪華さを感じたのである。『Full Digital Sound』の魅力をインパクト強く表現した、ということでもあるのだろう。同システムが高解像度であり、情報量が豊富であることを背景にして、それにきらびやかさを加え、聴き手を引き込むサウンドに仕上げられていたのだ。
もしも、予算が同等のアナログシステムを聴いた後にこれを聴いてしまったら、多くのユーザーの心は、こちらに引き寄せられるに違いない。コンセプトを効果的に表現できている。『Full Digital Sound』のメリットが、すんなりと腑に落ちた。コストパフォーマンスの高さは疑いようもない。
このクルマもまた、ぜひとも聴いていただきたいデモカーの1台だ。余すことなく『Full Digital Sound』の実力を知りたいと思ったら、“asu.company”まで、お気軽にお問い合わせいただきたい。
『Full Digital Sound』搭載のクルマの音を聴けば聴くほど、当システムの合理性を思い知る。予算を効率的に使い、満足度の高いサウンドを手に入れられて、その上で、省重量、省電力、省スペース…。エコカー時代のカーオーディオの決定版ともいえるこの『Full Digital Sound』。今後もじわじわと愛用者が増えていくのは必至だ。カーオーディオに関心を持ちつつ、未だに純正システムのままだという方は、まずはこの音を、ぜひとも1度、ご体験してほしい。