今秋デビューする新型『プリウスPHV』には、トヨタ初となる縦長の11.6インチ大型ディスプレイが搭載される。ナビやオーディオ、空調などのプリウスPHVに関するさまざまな情報をディスプレイに集約して表示するもので、その操作感を発売前にいち早く体感した。運転席に座って真っ先に飛び込んでくるのが縦長の大型ディスプレイだ。そのサイズ、実に11.6インチ! まるでタブレットPCをそのままコンソールにインストールしたような印象すら受ける。解像度はフルHD(1980×1080)で、地図やAVソースなど様々な情報を高精細に表示できる。これまでカーナビに使われてきたディスプレイは大半がワイドVGA(800×480)でしかなかったため、表示する情報量は実に5倍以上。高精細さはもはや桁違いだ。ディスプレイには静電容量方式タッチパネルが組み込まれており、スマートフォンのようなフリックやピンチイン/アウト操作にも対応。地図画面をなぞってもクルクルと地図が動く。若干、スムーズさには欠けるが、販売までに改良が加えられる可能性は高い。操作は画面内のソフトスイッチと、周囲に配置されたハードスイッチの組み合わせ。現在地ボタンともなる「MAP」や、「MENU」「VOL」、電源ボタンはハードスイッチとして用意された。この操作系はこれまでのトヨタ製ナビに通じるものだ。「MENU」ボタンを押すと画面にはメインメニューが表示され、こから「目的地」「電話」「Apps」「T-Connect」「情報」の各カテゴリーに入っていく。この時、背景の地図をボカして表示するため、メニューの各アイコンが浮き上がっているかのように表現する。アイコンのサイズも大きめで、スマホ並みとは行かないまでもタッチした際の反応はまずまずのスムーズさだった。PHVの状態を見るためのメニューは「情報」から入っていく。「エネルギーモニター」はグラフィカルなカラー表示によって表現され、より詳細な情報として画面いっぱいに映し出すことも可能だ。充電スケジュールも画面上に一覧で表示でき、燃費状況の確認もこのメニューから行える。また、「情報」内ではVICSなど交通情報系の表示も選択できるようになっていた。ルートガイドの様子をシミュレーションで動作させてみると、11.6インチの画面サイズは今までのナビで得られなかった見やすさを伝えてくる。地図デザインは従来から引き継いだものだが、交差点拡大図はウインドウ風に画面右上に表示し、縦長画面のメリットを活かして進行方向を広く見せる。画面下半分にメニューや、エネルギーモニター等の情報を地図と同時に表示させることも可能だ。また、高精細な表示能力を備えたことで、施設アイコンを数多く表示させても識別しやすい。そして、このシステムには通信モジュール(DCM)が標準装備される。これにより、T-Connectやヘルプネットにも常時接続が可能。これにより、緊急時の通報はルーフ上にある専用ボタンを使い、ワンタッチで操作できるようになった。このナビシステムは、取材したところ最廉価グレード以外の全てに標準装備されるようだ。一方で、路車/車々間通信が行える780MHz帯のITS-Connectについては全グレードでオプション装着となる見込みだ。なお、システムの開発はデンソーが担当する。