走り出してすぐ「うわっ違う!」と誰もがわかる、“意のままに操れるクルマ”に変身した『G'sヴォクシー』。このクルマに込める想いと狙いを、トヨタ自動車の久野友義氏、トヨタ車体の男成智仁氏、有野雄氏に聞いた。カギは、生産ラインと「プラス38万円」という価格設定だ。---どんな人が買う?「ベース車に対して、10歳ほど平均年齢が若返っている。だいたい若い方でも、子どもができて、家族が増えるとこういうクルマに乗り換える人が多いが、クルマを走らせることが好きな人がこうしたG'sを選ぶ」(久野氏)「自分もずっとAE86(カローラレビン/スプリンタートレノ)に乗ってて、妻がワンボックスを求めたころにハチロクを泣く泣く手放した経験がある。さびしいなという思いをしたが、あの時代にこんなクルマがあればなといま実感している」(久野氏)---スタイルじゃなくて、まず走りありき?「いまの86に乗りたいんだけど、2ドアじゃなっていう人が多い。G'sはいろいろなカテゴリに、ユーザーのライフスタイルにあわせて展開していく。やりたいのは走りの性能を上げる。そこが肝で、そのあとに皮がついてくる」(久野氏)「実際に、こうしたG'sのクルマの味付けをしている江藤正人(商品監査室)は、24時間レースで初代『アルテッツァ』のドライバーで、いまもニュルブルクリンクでのレースでG'sを全部担当している」(久野氏)---ミニバンに高額パーツを付けたいという人がいる?「ベース車にプラス38万円でこのパッケージになる。フロント・リヤ・センターにブレースが付いて、専用タイヤ・ホイールが付いてインチアップ(18インチ)して、内外装を変えていくと、これを後で追加するより相当安い。これより前に出たノアG'sがベース車よりプラス66万円だったので、そこからはだいぶ価格を下げた」(久野氏)「ノアは“後付け”で各パーツを組んでたけど、このヴォクシーG'sは標準車と同じラインで組むようになったので、そのぶん価格も下げることができた」(男成氏)「それで、狙ったラインの価格が設定できた。何かのパーツを減らしたとか、安いものに変えたとかではなく、生産ラインでの努力が実ったから」(男成氏)---エギゾーストも変わった?「サブマフラーの構造を変えて、音だけをチューニングした。外見はノーマル車と同じだけど、内部構造を変更した」(有野氏)「本当は、後ろにマフラーを出したかったけど、これ、底床フロア構造なので、排気管を出そうとすると、どうしてもアプローチに影響が出ちゃう」(久野氏)---苦労した点は?「テストドライバー・江藤の理想が高いので、そこに我々が具現化するまでのプロセスがたいへん。ブレースもいろいろなパターンを試してもらって、これならイケるっていうポイントを見つけていくのがたいへんだった」(男成氏)「プライスを抑えるために、工場の要件を調整しながら、標準車と同じラインでつくっていく構成もいろいろと苦難があった」(有野氏)「同じタクトのなかで組まなければならないからね」(久野氏)「もうみんな、苦しんだし、江藤さんも妥協しないしで(笑)」(男成氏)---最後に久野氏は、「G'sシリーズはとにかく乗ってみてほしい。その違いは、誰でも感じるはず」と伝えていた。久野氏はトヨタでスポーツ車両統括部TGR車両開発室グループ長、男成氏はトヨタ車体車両実験部車両性能開発室プロジェクト推進グループ主任、有野氏は車両実験部に所属している。
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