軽量化につながる「カーボン素材」が車の可能性を広げる | CAR CARE PLUS

軽量化につながる「カーボン素材」が車の可能性を広げる

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軽量化への新たなアプローチ!カーボン素材が車の可能性を広げる~カスタムHOW TO~
  • 軽量化への新たなアプローチ!カーボン素材が車の可能性を広げる~カスタムHOW TO~

クルマは軽いほうが運動性能が高まる。スポーツカーでは少しでも軽くするためにさまざまな手法が採られるが、最近増えているのがカーボンルーフ化だ。

◆パーツのカーボン化は軽量化の効果大!

これまで軽量化というとリアシートを外すとか、内装を外すようなカスタムが多かった。だが、それらは快適性や使い勝手を失うわけでデメリットも大きかった。そこでそういった快適性などを失わず、どうすれば軽くできるかとなると屋根やボンネットの素材置換という方法に至ったわけだ。それはチューニングカーやレーシングカーだけでなく、市販車にもその流れは波及している。

GRヤリスでは屋根はカーボン樹脂製で軽量化が図られている。ではなぜ、カーボンルーフにするのか。それはルーフがボディ剛性にほとんど関係がないからだと思われる。ボディの構造には関係ない部分なので鉄板である必要がない。力が掛かるわけでもないのでカーボンなどの樹脂製でも問題がないのである。

さらに位置が高いからもその理由。ルーフはクルマの中でもっとも高い位置にある部分で、コーナリング時に完成を受けて左右にボディがロールするのに大きく関わっている。屋根が軽くなれば左右にロールしにくくなるのでクルマの切り返しは軽快になる。運動性能を高めやすいのだ。

同様にボンネットの素材置換も人気のあるカスタム。こちらも比較的高い部分にあり、剛性メンバーではないので素材を変えたところでボディ剛性には関係がない。そこで古くからFRPやカーボンボンネットに交換するチューンが多かったのである。

ちなみにGR86/BRZやGRヤリスなどではボンネットは軽量なアルミ製となっている。アルミ製となると鉄製に比べると遥かに軽い。重量的にはFRPやカーボンなどの樹脂製ボンネットに近い軽さなので、純正でアルミ製ボンネットの車種でカーボンボンネットに変更するチューンが多くないのは、軽量化の効果がそれほど大きくないからでもある。

シルビアなどの世代になるとボンネットは鉄製。片手では長時間持てないほど重かったので、樹脂製ボンネットにすると明らかにハンドリングが変わった。むしろフロント荷重が足りなくてアンダーステアになってしまうのでは!? と思うほどフロントまわりが軽く感じられたのだった。気をつけたいのはカーボンルーフを装着するにはそれなりの覚悟と工賃が必要だということ。ボンネットの場合はネジ4本で外して付け替えるだけでOK。あとはウインドウウオッシャーのノズルをつけかえるくらいで使うことができた。

しかし、ルーフとなると大きく話は変わる。まず、ルーフが停めてあるスポット溶接箇所を丁寧に剥がしていき、それから屋根を外す必要がある。カーボンルーフに変更したあとは専用ボンドなどで固定して完全硬化まで待つことになる。この作業は車種によっては事故車扱いになってしまうので、中古車として売るときのデメリットも大きいのだ。

それでもほかに軽量化を施すとなるとボンネット以外はかなり厳しいのが現実。ボンネットとルーフを除くと大きく軽量化できるのはドア。一部車種にはカーボン製ドアなどが販売されていて、両側交換で20~30kgほどと大幅に軽量化できる。しかし、ドアがカーボン製となるといくら軽くて強くても側面衝突時にはドライバーを守ってくれない。そこでサイドバー入りのロールバーが必須となる。

そもそも純正ドアの中には同じように鉄パイプが通っていて、側面から衝突したときにドライバーや同乗者を守るように設計されている。それに匹敵するガードを付けなければならないので、サイドバーが必須となるのだ。となるとそれなりに点数の大きなロールバーが必要となり、それは結局かなりの重さになってしまう。

せっかくカーボンドアにして軽量化しても、ロールバーの重さでかなり食われてしまい実はそこまで軽量に仕上げられるわけではないのだ。となると価格も高いし、それほど軽量になるわけではないと実はデメリットもなかなか大きいものだ。そうなるとやはりルーフやボンネットの素材置換による軽量化が現実的になっているのだ。

軽量化への新たなアプローチ!カーボン素材が車の可能性を広げる~カスタムHOW TO~

《加茂新》

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