日産自動車自動車大学校の学生が作成したカスタムカーが「東京オートサロン2024」で展示される。若者らしい方にはまらないカスタムが、例年人気を博している。
日産自動車自動車大学校は日産グループの一部で、日本全国に5つのキャンパスを持つ。自動車整備の国家資格取得を目指す一般的なカリキュラムに加え、モータースポーツやボディワークの自動車工学コースも提供している。
展示される3種類のカスタムカーは、ボディワークコースを受講できる愛知と京都のキャンパスの学生の努力の結晶だ。
◆家族をつなげる『エルグランド・グラシエ』
『エルグランド・グラシエ』は、日産京都自動車大学校 メカニック&カスタマイズコースの4年生が6か月をかけて制作。
「人々をつなげる」をコンセプトに、6人の親しい家族が一緒に車に乗っているイメージで作成された。全ての家族が一緒にキャンピングを楽しみ、絆を深めることを目指し、笑顔と笑いが絶えない場所を作り出す。
基本モデルから地上高を4cm上げ、荒地を走行できるようにした。また、全ての家族が安全で快適に過ごせるように、大型のテントをルーフに設置。『エクストレイル』のフェイスを取り入れてオフロード感を出し、リアは現代的かつ直線的なテールランプでスタイリッシュに仕上げ、学生らしいアプローチを表現した。
独特のボディカラーは、夜明けの光を想起させるものに。ベースのエーテリアルグリーンは、夜明けの光を示し、オレンジ色のリップスポイラー、サイドステップ、インテリアは、雲に差し込む朝日を描いている。
◆「姉」のパイクカー『SETO』
2台目の『SETO』は、日産京都自動車大学校 自動車整備・カスタマイズ科の4年生が6か月をかけて制作。
「過去と現在の架け橋」をコンセプトに、仲の良い6人家族の姉(22歳)がお洒落なカフェや都会のナイトライフをクルマと共に楽しむシーンをイメージし、ユニークで可愛いパイクカーに仕上げたという。
エクステリアはベース車両の『キューブ』に、『ブルーバード』のフロントフェイスとテールランプをあしらった。異なるクルマのフェンダーとボンネットを自然な形でつなぎあわせるべく、溶接・パテ造形の調整を何度も繰り返した。ヘッドライトはそのコンセプトから「現在」感を意識し、ハロゲンではなくLEDに。姉が友達と自由気ままな旅行に行くシーンを想定し天井にバケットを装着。ボディカラーは、学生が考案した淡い紺色で、姉が友人とナイトライフを楽しむべく、夕方の青から漆黒の夜にむけて出かけるシーンを表現したカラーとした。
◆美少年スカイライン『Adonis SKYLINE』
3台目は『Adonis SKYLINE』で、日産愛知自動車大学校 自動車整備・カーボディーマスター科の3年生が2か月半で制作。
車両コンセプトは、「誰もが夢中になってしまう美少年のようなクルマ」。ターゲットはクルマ好きな20代の男性。仕事もプライベートも充実した若者が普段使いするシーンを想定して制作した。ベースはER34型『スカイライン』で、スカイラインの流麗なボディラインはそのままに、持ち主の充実ライフを表現すべく、5cmワイド化し堂々としたフォルムを実現。制作過程では、ボディラインのゆがみが出ないよう、位置合わせや修正に多くの時間を費やしたという。
インテリアはダッシュパネルの表面も変更し、落ち着いた車内空間を演出。ボディカラーは、Adonisホワイトと名付けた学生オリジナルのフレッシュな調色を施し、コンセプトである「美少年」を表現している。