カーオーディオシステムの最終的な音の完成度は、「製品の性能」「取り付け」「サウンドチューニング」、これらの総合力にて決定される。そして、その完成度の高さを競う大会が全国各地で開催されている。当特集では、それら大会の魅力を解説しようと試みている。
◆現在は、「オーディオ評論家」の方々が審査員を務める大会が増加中!
ここまでは「カーサウンドコンテスト」とは何なのか、そしてこれが開催されてきた歴史を振り返ってきた。それに引き続いて当回では、現在のシーンの状況を説明していく。
ところで、「カーサウンドコンテスト」では順位がどのようにして決められるのかを説明しておきたい。ちなみに、1990年代の初頭に行われるようになりブームとなったアメリカ生まれのコンテスト『IASCA(アイアスカ)』では、ルールブックが存在していてそれに乗っ取って“ジャッジ”によりインストールとサウンドの両面にて審査が行われ点数が付けられていた。で“ジャッジ”は、講習を受け公認された各「カーオーディオ・プロショップ」のインストーラーが務めていた。
それに対して1997年より開始された『パイオニアカーサウンドコンテスト』では、オーディオ評論家の方々が審査員として任命された。そして同コンテストでは取り付けの巧拙に関する審査は行われず、音の良さのみが点数化され順位が付けられた。
なお『IASCA』がすたれた2000年代以降は、インストール面での審査が行われる大会は減っていく。そして2010年代に入ると、オーディオ評論家の方々が審査員を務める大会が増えていく。
◆多数のオーディオ評論家を招く大きな大会は、現在2つある!
では、現在ではどのような大会が行われているのかを具体的に紹介していこう。
まず、大勢のオーディオ評論家の方々が審査員として招かれる大きな大会が2つある。その1つは『ハイエンドカーオーディオコンテスト』で、もう1つは『ヨーロピアンサウンドカーオーディオコンテスト』だ。ちなみに前者は、今年の9月の開催にて第8回を数え、後者は今年6月の開催にて第10回目を迎えた。
なお前者は、2014年の第18回大会を持って終了した『パイオニアカーサウンドコンテスト』に代わる大会として、2015年よりスタートしている。それまではパイオニアが主催していたわけだが、その終了を惜しむ全国の「カーオーディオ・プロショップ」が協力し、それと同等規模の大会の維持が目指され実行された。結果、もっとも白熱する全国規模の大会の1つとして、毎年盛大に執り行われている。
一方『ヨーロピアンサウンドカーオーディオコンテスト』は、欧州のカーオーディオブランドの製品を正規輸入するインポーター有志により実施されているものだ。なので当回にエントリーできるのは基本的に主催インポーターが取り扱うブランドのアイテムを装着しているクルマに限られるが、全国からハイレベルな車両が集結する。そしてこの2つの大会には「カーオーディオ・プロショップ」のデモカーにて競われるクラスもある。その点も、白熱する要因の1つとなっている。
◆全国各地で、特長ある名物大会がさまざま継続開催中!
これら2つ以外では、各地の「カーオーディオ・プロショップ」が協力して主催するご当地イベントがさまざまある。
どのような大会があるのかを見ていこう。まず関西にて毎年秋に、『まいど大阪 秋の車音祭』が開かれている。当大会は今年の11月の開催にて第20回目を数えるに至っている。そしてこのスピンオフ版として2016年より『まいど大阪 春のプチ車音祭』も開催されるようになっている。
また東北では、2018年から『イーストジャパンサウンドコンテスト』が開催されるようになった。当大会も審査員にオーディオ評論家を招き、さらには全国各地の有力「カーオーディオ・プロショップ」のインストーラーも審査員として参加する。
そして春の瀬戸内の恒例イベントとして『中四国オートサウンドフェス』も、長きにわたって開催され続けてきた。当大会は今年5月の開催にて、第22回を数えている。
一方関東では、『インターショー』も脈々と継続されてきた。なお当大会は今年9月の開催にて第26回を数えた。
今回は以上だ。次回以降は「カーサウンドコンテスト」の楽しみ方や参加の仕方について説明していく。お楽しみに。