トヨタ自動車は10月5日、国際オリンピック委員会(IOC)および国際パラリンピック委員会(IPC)のワールドワイドモビリティパートナーとして、パリ2024オリンピック・パラリンピックに向け、持続可能なモビリティを提供すると発表した。
トヨタは座位型『C+walk S』と立位型『C+walk T』、合わせて約250台のパーソナル電気自動車(BEV)を提供する。いずれも最高速度は時速6kmで、ドライバーと周囲の安全を確保するため、前方の障害物検知システムを搭載。着座型はアスリートや関係者、大会ボランティア向け、立位型は大会スタッフやボランティア向けに使用され、会場内のスムーズな移動を可能にする。
車いす利用者向けには、車いす用電動けん引モビリティ『e-pullers』を提供する。期間中、選手村に50台の配備に加え、パラリンピック開会式という特別なイベントへ参加する車いす利用のアスリート達の移動をサポートするために150台を提供する。また、パラリンピック選手村におけるパーソナルな移動を手助けするために、超小型モビリティを容易にアクセスできるよう、モバイルアプリ「KINTOシェア」を活用したシェアモビリティサービスを提供。これにより、パラリンピアンやスタッフの利用によって効率的なモビリティの運用が期待される。
個人向けの超小型モビリティソリューションに加え、東京2020でも好評だったCO2を排出しないBEV『APM(Accessible People Mover)』の新型を約250台配備する。APMは身体に不自由のあるすべてのアスリート、大会関係者、大会ボランティアならびに観客などの会場内の移動をサポート。オリンピック・パラリンピック選手村や競技会場でのメインシャトルの役割を担い、一部は大会期間中の少量の物資輸送に活用され、また多くは救護車として配備される予定だ。
加えて、トヨタは150台の車いす対応のBEV『Toyota Proace』を提供し、車いすを利用するオリンピック・パラリンピック関係者の移動を支援。パリ2024大会後は、すべての車両はパリ市内で、車いすの顧客の移動を引き続きサポートしていく。
トヨタは、C+walk S、C+walk T、車いす対応e-puller、250台のAPM、150台の車いす対応のToyota Proaceなど、700台の個人向けのラストマイルモビリティを提供する予定だ。アスリートや大会関係者、大会ボランティアのため、オリンピック・パラリンピック大会の機会に、これまでにないインクルーシブで持続可能なモビリティの実現を目指する。
パリ2024オリンピック・パラリンピックの大会関係者には、期間中、全体として2650台以上の電動車を提供する。うち150台は車いすでの利用が可能な車両だ。また、BEVの『bZ4X』、『Proace』および『Proace Verso』、レクサス『RZ』、燃料電池自動車(FCEV)『MIRAI』など、提供車両の約60%はゼロエミッション車両となる。
また、水素を燃料とするMIRAI 500台を大会関係者はじめアスリートやボランティア向けに提供し、排出ガスゼロの移動を実現する。大会終了後は500台すべてがタクシーとして利用され、パリ市内を走る燃料電池自動車タクシーの数は1500台となる予定だ。
ゼロエミッション車に加え、トヨタは約1000台のハイブリッド(HEV)とプラグインハイブリッド(PHEV)を提供する。『RAV4』はPHEVとHEVの両バージョンを用意。さらに『カローラTS』、『ヤリスクロス』、『ハイランダー』もすべてHEVとして提供する。
トヨタはパリ2024大会にて、車両の二酸化炭素排出量を東京2020大会と比較し50%削減することを目指している。また、トヨタの大会公式車両の60%程度が欧州で生産、うち37%はフランスにて生産されており、サステイナブルで地元に根ざしたオリンピック・パラリンピックというビジョンに貢献する。