日産東京販売で最も人気の「新車ボディコーティング」は?…営業本部 副本部長に聞く | CAR CARE PLUS

日産東京販売で最も人気の「新車ボディコーティング」は?…営業本部 副本部長に聞く

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日産東京販売で最も人気の「新車ボディコーティング」は?…営業本部 副本部長に聞く
  • 日産東京販売で最も人気の「新車ボディコーティング」は?…営業本部 副本部長に聞く
  • 『5YEARS COAT Premium』の2層ガラス質被膜コーティングのイメージ図
  • ドアミラーの付け根など狭いところに使用されている未塗装樹脂パーツに、ピンポイントで施工できる『未塗装樹脂コート』は、直近の月間施工実績が100件で人気

今年に入って、新車販売台数が順調に伸びている。日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会は、2023年上期の1~6月における国内新車販売台数(登録車と軽自動車の合計)が、前年同期比17.5%増の245万600台となり、2年ぶりに前年実績を超えたと発表した。

このような動きがある中、新車購入時に「ボディコーティング」施工を希望するユーザーはどれくらいいるのだろうか。ボディコーティング剤は数多くあり、こわだりが強いユーザーはボディコーティング専門店で施工を依頼するケースもあると思うが、ディーラーで新車購入時に施工を勧められて検討するのが一般的だろう。

そこで、東京エリアを中心に、日産自動車とルノーブランドの車両販売事業に注力する日産東京販売ホールディングスの子会社として、東京全域に日産系ディーラーを計123店舗(新車販売105店舗、中古車販売18店舗 ※2023年7月時点)展開する日産東京販売株式会社に取材を依頼。同社が提供する「ボディコーティング」の種類や特徴、需要状況などについて執行役員 営業本部 副本部長の有松真一氏(サービス部長 兼 デジタルマーケティング部長)に話を聞いた。

2022年度は、約7割が新車コーティングを希望

「地方にお住まいの方は家族一人1台お車を所有されているのが一般的ですが、東京にお住まいの方は、“ 家庭に1台の特別なお車 ” として購入されている方が多く、最近は軽自動車でも200万円ほどする高価格な車種を選ばれる場合もあり、ボディの美観維持に費用をかけるお客様が増えている傾向です。弊社で新車購入を検討されるお客様に、ボディコーティングのメリットをわかりやすくお伝えするために、数分の動画を用意して提案しているのですが、2022年度は69.1%のお客様が新車時施工を希望頂き、2021年度と比較して6%向上しました。施工は基本的に内製化しており、日産自動車の生産工場を経て納車前点検整備拠点センターで施工しています」と有松営業本部副本部長は話す。

日産ディーラー純正ボディコーティング『5YEARS COAT』

全国の日産系ディーラーでは、20年以上前からボディコーティングを提供しており、ある時期から日産系ディーラー純正ボディコーティングの名称として『5YEARS COAT』を商標登録したと有松営業本部副本部長は説明。

『5YEARS COAT』は日産自動車とサプライヤーが共同開発したもので、名称の通り、5年間保証付き(新車時施工で1年ごとの定期点検が必須)で、メンテナンスキットを付属。保証期間内にボディの鈑金塗装が必要になった場合は再施工が可能で、自動車保険の補償対象として認められるために重要な保証書も発行される。

『5YEARS COAT』シリーズは現在3種類あり、共通する特徴は塗装面との密着性が高い反応性ガラス質被膜の中に機能性材料を配合したハイブリッド被膜を形成し、深みのある艶と光沢を実現できるところ。ホコリや泥、油などの汚れがつきにくく、ついた汚れも落としやすい撥水効果や防汚性もあるという。

最も人気が高いのは『5YEARS COAT Premium』

2022年度に新車ボディーコーティング施工を希望したカーオーナーから最も多く選ばれたのは6年前から提供されている『5YEARS COAT Premium』。軽自動車からSUV系まで車種を問わず人気で、年間施工実績は900台近かったと有松営業本部副本部長は教えてくれた。

Premiumは2層のガラス質被膜コーティングで、1層目は “ 定着性に特化した材料 ” で耐久性を高め、2層目のトップコート被膜は “ 機能性に特化した材料 ” により光沢性と防汚性を高いレベルで実現。価格は、新車時施工で軽自動車・SSクラス(デイズ・マーチなど)は税込110,000円。Mクラス(キックス・シルフィなど)は税込132,000円で、LLLクラス(エルグランドなど)は税込165,000円で提供されている。

『5YEARS COAT Premium』の2層ガラス質被膜コーティングのイメージ図

Premiumに次いで人気が高かったのは、昨年から提供開始となった『5YEARS COAT Excellent』で、年間100台ほどの施工実績だったという。Excellentは3層のガラス質被膜を形成し、Premiumよりも防汚性と撥水性が高く、4機能(防汚性、撥水性、光沢性、滑水性)の持続性向上を実現。最上級の高級コーティングとして提供中で、価格は新車時施工で軽自動車・SSクラス(デイズ・マーチなど)は税込220,000円。Mクラス(キックス・シルフィなど)は税込242,000円。LLLクラス(エルグランドなど)は税込286,000円となっている。

最もリーズナブルな『5YEARS COAT』は1層のガラス質被膜コーティング。価格は、新車時施工で軽自動車・SSクラス(デイズ・マーチなど)は税込66,000円。Mクラス(キックス・シルフィなど)は税込77,000円。LLLクラス(エルグランドなど)は税込99,000円とのこと。

未塗装樹脂パーツ用や特定時期に人気のコーティング

日産東京販売では、2022年度から未塗装樹脂パーツ向けの『未塗装樹脂コート』を提供。未塗装樹脂パーツに塗布することで黒さを維持し、白化した樹脂の黒さを復活させる。特殊な樹脂成分が含まれたガラス質被膜を形成して紫外線などのダメージから保護し、新車時施工で約3年間効果が持続するという。2023年4月からは、ドアミラーの付け根など狭いところにピンポイントで施工できるメニューを提供し、直近の施工実績は月間100件。今後も需要の伸びを見込んでいる。

ドアミラーの付け根など狭いところに使用されている未塗装樹脂パーツに、ピンポイントで施工できる『未塗装樹脂コート』は、直近の月間施工実績が100件で人気

このほか、夏の帰省シーズン前の7月~8月にニーズが高まる『バンパー虫取りコート』や、11月~1月の冬タイヤ交換時期には、東京でも首都高速や陸橋では凍結防止剤が散布されるため、下廻りのサビ防止対策として『ボディ床下コート』を訴求すると、多くのカーオーナーが施工を希望。ボディ床下コートに関しては、リセールバリューを下げないために施工するカーオーナーが多い傾向だという。

ボディコーティング需要は今後も伸びる

有松営業本部副本部長は、ボディコーティング施工の需要が伸びている理由について「東京エリアの日産系ディーラーがボディコーティング施工の訴求に注力したから伸びたというわけではなく、弊社をはじめ東京全域の幅広いディーラー、ボディコーティング専門店、ガソリンスタンドで大々的に訴求され続けていることで、多くのカーオーナー様が “ 新車時にボディコーティングをしておいた方が、洗車が楽になり、買い替え時や手放すときのリセールバリューが高くなる ” と考えられるようになり、その認識が一般化したからこその結果だと思います」と分析する。

最後に有松営業本部副本部長は、今後の展開として「日産車に限らず、他メーカー様の既販車や中古車を対象にした、リーズナブルなボディコーティングメニューをサプライヤー様と共同開発したいと思っています。ですが、現状では施工体制に課題があります。日産東京販売ホールディングス・グループのエヌティオートサービスに施工を委託できる関係性があるのですが、リソースが少ないため小規模しか対応できまん。施工技術を有するスタッフを揃え、大規模展開できる施工体制が整ったら、税込20,000円ほどで12ヶ月効果が持続するボディコーティングを訴求していければと思っています」と話していた。

今回の取材では、東京エリアで大きなシェアをもつ日産東京販売が、ボディコーティング需要に大きな可能性を感じて新たな戦略を練っていることがわかった。日産東京販売が新車・既販車・中古車に最適なボディコーティングメニューの新規開発を検討していることは、カーディテイリング事業者や整備・鈑金塗装事業者、ガソリンスタンド経営者にとって気になる動きといえるだろう。今後もボディコーティング市場の動向に目が離せない。

《カーケアプラス編集部@金武あずみ》

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