高さ約300m、明石海峡大橋のてっぺんから360度瀬戸瀬内海のパノラマを見る! 海面上約50m、足の裏には船舶が航行する空中散歩! ビル10階相当171段の階段を昇降! JB本四高速(本州四国連絡高速道路)では見学ツアーの参加者を募集している。
JB本四高速は明石海峡大橋において、普段立ち入ることのできない管理路や塔頂を案内するインフラツアー、『明石海峡大橋ブリッジワールド』を実施している。8月開催分の受付を6月1日に開始した。
明石海峡大橋は、兵庫県神戸市と淡路島の間の明石海峡に架かる、橋長3911m、中央支間長1991mの世界最大級のつり橋だ。明石海峡大橋は、本州と四国を、道路と鉄道で繋ぐ本州四国連絡架橋事業の一環として建設され、1988年5月に現地工事に着手し、1998年(平成10年)4月に完成した。
ツアーでは、橋の建設に携わった関係者がリーダーとなって、橋の建設について技術や歴史などを説明しながら、管理用通路を通り、海面上約300mの主塔に登る。
◆建設関係者がガイドリーダー
ツアーの集合場所は明石海峡大橋の淡路島側アンカレイジだ。道の駅あわじに近接している。アンカレイジは、吊り橋のケーブルを地面に固定するための設備のこと。普段は入ることのできないアンカレイジ内で、まず明石海峡大橋について学ぶ。そこから明石海峡大橋へ出発、橋桁の高さまで階段で上がる。管理路の高さ約40m(ビル10階相当)171段の階段を昇降、コース中ここが肉体的にいちばんハードだろう。
上がったら橋桁の中の管理路を、淡路島方面に海面上約50mの所を約1km歩く空中散歩だ。歩く所の床は格子になっていて海面が見える。物を落とさないように注意。
エレベーターに乗って塔頂へ。98階(海上約300m)の高さまで約2分で到着する。天気が良い日には、大阪市内にあるあべのハルカスや、関西空港、小豆島まで見えるという。塔頂では写真撮影も可能だ。ただしカメラやスマートフォンは、ネックストラップで身体固定すること。そしてツアー参加認定書がプレゼントされる。
◆ツアー参加条件が厳しい
一般公開向けの見学施設ではないので、ツアーには次のような参加条件がある。補助具なしで、自ら2km以上の歩行ができ、階段の昇降ができることが必要。橋の高さまで約170段(ビル10階相当)の階段を自身で昇降しなければならない。参加者は中学生以上(中学生は大人の同伴者が必要)。高所恐怖症や閉所恐怖症も参加は無理だろう。
ツアーの開催日は8月の木・金・土・日曜(17日を除く)、1日2回(3、18、26日は1回)実施する。料金は、大人平日:5000円、土・日:6000円、中学生平日:2500円、土・日:3000円。参加申し込みは「じゃらん」または「JTB」のウェブサイトから受け付けている。6・7月分もまだ予約受付中だ。
明石海峡大橋(概要)
⚫︎自然条件
海峡幅:約4km
最大水深:約110m
基礎周辺の最大潮流速:約9ノット(4.5m/s)
基本風速:46m/s
⚫︎設計諸元
橋梁区分:吊橋
形式:3径間2ヒンジ補剛トラス吊橋
橋長:3911m
支間割:960m+1,991m+960m
設計基準風速・補剛桁:60m/s
設計基準風速・塔:67m/s
中央径間中央での路面高さ:海面上約97m
航路高:海面上約65m
⚫︎上部工総鋼重
塔:4万6200トン
ケーブル:5万7700トン
補剛桁:8万9300トン
計:19万3200トン
「吊橋」長大橋ランキング
順位 橋名(国名) 最大支間長 完成年
1位 1915チャナッカレ橋(トルコ) 2023m 2022年
2位 本四橋 明石海峡大橋(日本) 1991m 1998年
3位 楊泗港長江大橋(中国) 1700m 2019年
4位 南沙大橋坭洲水道橋(中国) 1688m 2019年
5位 西候門大橋(中国) 1650m 2009年
6位 グレートベルト・イースト橋(デンマーク) 1624m 1998年
7位 オスマン・ガジ橋(トルコ) 1550m 2016年
8位 李舜臣大橋(韓国) 1545m 2012年
9位 潤揚長江大橋(中国) 1490m 2005年
10位 杭瑞高速洞庭湖大橋(中国) 1480m 2018年
JB本四高速しらべ。明石海峡大橋は架橋以来長らく吊り橋で中央支間長が世界1位だったが、2022年にトルコの1915チャナッカレ橋(中央支間長2023m)が完成し、現在は2位になっている。