毎年恒例、勝手に選ぶ「今年の一台+α」!この一台を選ぶ日がくるとは【岩貞るみこの人道車医】 | CAR CARE PLUS

毎年恒例、勝手に選ぶ「今年の一台+α」!この一台を選ぶ日がくるとは【岩貞るみこの人道車医】

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トヨタ クラウン クロスオーバー
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2022年も暮れようとしている。クルマ業界も半導体問題は長引き、世界的な情勢に混沌としたものはあるものの、新しい息吹を感じさせてくれた2022年。そして、毎年恒例、勝手に選ぶ「今年の一台+α」、of the Yearである。

◆今年のイワサダ賞は『クラウン クロスオーバー』

今年のイワサダ賞であるCar of the Yearは、トヨタの『クラウン クロスオーバー』である。まさか私がイヤーカーにクラウンを選ぶ日が来ようとは、当の私が一番驚いている。

クラウンの変貌ぶりには、度肝を抜かれた。正直、大きな企業は先輩を敬い歴史を重んじという風潮があるため、ここまでやりきるのにはそうとうの葛藤があったと思われる。しかし、全身全霊を傾け、これまでのしがらみを取り払い、トヨタブランドの最高峰を作ろうとした熱意。そうとうの覚悟を決めての行動だったに違いない(勝手に推測)。責任と覚悟は私の好きな言葉だが、クルマ全体からそのオーラが輝き、なにか大きな扉を開けたような感じがするのである。

これぞここ数年のあいだ滞留していた鬱屈とした流れを断ち切る、そして、100年に一度の変革期といわれている自動車業界に向けて今、届けるべきメッセージではなかろうか。コンパクトカーこそ正統派と信じてやまない私でも、クラウン クロスオーバーの漢気にだけは拍手を送らざるを得ない。トヨタには、これからもこの勢いで走り切っていただきたいものである。

◆Concept of the Yearは日産『サクラ』/三菱『ekクロスEV』

続いて、Concept of the Yearは、日産『サクラ』/三菱『ekクロスEV』である。電気自動車(以下EV)の軽自動車。これよこれ。我々が待ち望んでいたものは。逆に、自動車メーカーはなぜEVを奇抜なデザインにしたり、要らぬアピールするクルマに仕立てるのか、まったく解せなかった。

ガソリンスタンドが減りゆく地方部。その土地で日常の足として愛される軽自動車。家のわきには車庫があり、確実にクルマが停められ、充電設備だって作りやすいのだから、合体させればいいものになることは、火を見るよりも明らかなのだ。

Year Carに推せなかったのは、航続距離が短いから。忙しい主婦としては、やはり一回の充電でもう少し長く走れるようにしてほしい。今の3倍くらい走れるようになったら文句なしだ。ただ、今の技術のまま3倍にしようとするとバッテリーを多く搭載しなければならず車両価格が跳ね上がり、車内空間も犠牲になる。ゆえに今後の技術の進化に期待大である。

◆Tyre of the Yearはミシュラン『クロスクライメート2』

Tyre of the Yearは、ミシュランの『クロスクライメート2』。ちょっと待て、登場したのは2021年では? という声も聞こえてくるけれど、岩貞賞の規定では発売年月日ではなく、私が試した日が基準になっている。よってこれでいいのである。

11月に装着してすぐに感じたのは、スタッドレスタイヤに比べて、ドライ路面でのロードノイズ(タイヤが路面に設置するときに発生する音)が圧倒的に小さい。鈍感な私など、それまでつけていた同じミシュランの『プライマシー3』と、ほとんど違いがわからないくらいだ。乗り心地の違いで一番感じるのは、ブレーキを踏んで止まるときの最後のきゅっという制動力のよさ。ゴムが柔らかいからか、新品タイヤをつけたせいなのか微妙ではあるものの、明らかに最後のきゅっがしっかりと路面にくいつき止まっている感じがわかる。

天気予報を眺め、そろそろ雪マークが関東にも迫ってきたけれど、なんの不安もなく過ごせるこの安心感こそクロスクライメート2のよきところ。この冬は安泰である。

◆人生は流れる川を進むがごとく

そして、今年のMan of the Yearは、試乗記に加え「岩貞るみこの人道車医」を読んでくれた、クルマが大好きなみなさんへ。いつも感謝&感謝です。

さて、今年の私は、昨年同様、会議はwebで過ごしながらも、リアルで開催される講演会にたくさん登壇させていただき、社会が少しずつ、コロナと共存し始めていることを実感。夏に出した本「法律がわかる!桃太郎こども裁判」(講談社)は、初めて現場取材も人のインタビューもないという本だったので、来年に向けて取材意欲が爆上がりしているところである。

来る年も現場取材を丁寧に重ね、「未来のクルマ好き」を育てるべく面白いテーマに取り組む予定。人生は流れる川を進むがごとく。同じことをやっていたら、激流が襲ってきたときに下流に流されるだけ。挑戦を続け、より上流へと向かいたい。

来る年が、みなさんにとって、よい年になりますように。今年も一年、ありがとうございました。

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「ハチ公物語」「しっぽをなくしたイルカ」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。最新刊は「法律がわかる!桃太郎こども裁判」(すべて講談社)。

《岩貞るみこ》

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