今回からスタートする当連載では、保険・税金・燃料費等のお金の話から交通インフラや道交法等々まで、広くカーライフに直結する「社会・経済」ネタを、毎回テーマを絞って解説していく。まずは、自動車保険料を下げられる秘策から紹介していく。
自動車保険料は、安いに越したことはない。とはいえもしものときのことを考えると、内容は充実させたいし安心感の高い保険会社と契約したい。なので、保険料を下げようとしても限度がある。
ところが昨今、契約内容を変えることなく保険料の割引きを受けられるサービスを用意する保険会社が増えつつある。そのサービスとは、「テレマティクス保険」だ。
さて、これは何なのかと言うと…。まず「テレマティクス」とは、通信(Telecommunication)と情報科学(Informatics)とを組み合わせた造語で、車載機器を通信システムで繋げて情報を管理したりサービスを提供したりすることを指す。で、「テレマティクス保険」とはずばり「テレマティクス」を活用した自動車保険だ。なお狭義には、「テレマティクス」技術を活用して運転者の事故リスクを数値化しそれにて保険料を算出するタイプの保険サービスのことを指す。
ちなみに、日本よりも欧米の方がこれの普及が進んでいると言われている。というのも欧米では、日本のように等級制度が細かく設定されておらず、ゆえに保険料を下げる手段としてこれへの注目度が高いのだ。
しかし日本では等級制度が詳細に定められているのでさらなる割引きを適応しづらく、欧米と比べて「テレマティクス保険」の普及が遅れていた。しかしここにきて、他社との競争力を高める狙いもあるのだろう、徐々にこれを取り入れる保険会社が増えつつある。
では、保険料が割引きになる仕組みをもう少し詳しく説明しよう。例えば以下のようなやり方で割引きが成される。通信型の専用ドラレコをクルマに搭載し、それにて運転者の急ハンドルや急ブレーキ等の頻度をクラウドに集積。そしてそれらデータを元に安全運転スコアが算出され、規定以上の点数を取れた場合に翌年度の保険料が3%とか5%割り引かれる。
燃料費の高騰も顕著な今、自動車保険料が数%下がるのは嬉しい。注目する価値は低くない。
次回からは、具体的にどのような「テレマティクス保険」があるのかを紹介していく。お楽しみに。