2017年が終わろうとしている。今年は読者の皆さまにとって、どんな1年だったろうか。さて、カーオーディオ界の2017年はどうだったのか。新たな潮流が生まれたり、話題をさらった新製品の数々が登場したりと、さまざまなニュースが駆け巡ったが…。その中から特にインパクトが強かった10項目を、編集部が独断で選定した。それを2回にわけて、カウントダウン形式で発表していく。2017年のシーンを熱くさせたトピックを思い起こしながら、行く年をしみじみと振り返っていただけたら幸いだ。第10位 パナソニックから大画面が“スイング”する新『ストラーダ』が登場!今年も各社から、魅力的なAV一体型ナビの新作が続々と登場した。9月に発表され11月にリリースされたこちら、パナソニックの新フラッグシップ機『ストラーダ・CN-F1XD』も、印象度の高いモデルの1つであった。ちなみに当機の従来機である『CN-F1D』は、9型モニターをセンタークラスターパネルから浮かせるという新機構が採用された意欲作であった。大画面ナビの“汎用化”に成功し、世間をあっと驚かせ、大ヒットを記録した。今モデルでは、そのスペシャリティがさらに伸長し、魅力がますます高まった。最大の注目ポイントは、その“DYNABIGディスプレイ”が左右に“スイング”するようになったこと。首振り角度は左右それぞれで15度ずつ。実機を目にするとこの15度がなかなかに効いていて、利点である“見やすさ”と“使いやすさ”が、新次元に到達していることを実感できた。なお、新機種では新たに“ハイレゾ音源”の再生も可能となった。音楽好きのドライバーにとってもメリットが増えた『CN-F1XD』。またまた大ヒットとなりそうな予感が大だ。第9位 カーオーディオの“ハイレゾ化”が、ますます加速!2017年はカーオーディオ界においても、ますますの“ハイレゾ化”が進んだ年ともなった。象徴的なのは、車載機でこれに対応するモデルが増えたこと。第10位で紹介した『ストラーダ・F1XD』しかり、これを再生可能なAV一体型ナビが続々登場。そしてデジタルシグナルプロセッサーにおいても、“ハイレゾ音源”を“ハイレゾ音源”のままで処理できる機器が次々とリリースされている。クルマの中で気軽にこれを楽しめる環境が、一気に整ってきたと言っていい。なお、ハイエンドカーオーディオの世界でもさらなる“ハイレゾ化”が進んでいるが、ここでは依然、ソースユニットとして高級『DAP』(デジタルオーディオプレーヤー)が使わることが多かった。音質をとことん追求すると高級『DAP』に行き着く、という傾向は今後も当分続きそうだ。しかしながらAV一体型ナビには、高い操作性が備わっている。2018年は、ハイレゾ対応の車載機を核とするハイエンド“ハイレゾ”システムを構築するユーザーも、増えていくのではないだろうか。 とにもかくにも、“ハイレゾ音源”自体のラインナップもさらに拡充した今、“期は熟した”と言えるのではないだろうか。システムの“ハイレゾ化”を視野に入れつつその実行をためらっていたという方は、2018年にはぜひともトライを♪第8位 “スーパーハイエンド”ユニットがますます人気を伸長!2017年は、高級機の人気がさらなる高まりを見せた1年ともなった。この流れをけん引しているのは、「イース・コーポレーション」だ。同社は数年前から、主に欧州の高級ブランドの製品を“スーパーハイエンド”とカテゴライズして、日本の愛好家に紹介する活動を進めてきた。各地のカーオーディオプロショップで“スーパーハイエンド試聴会”を実施し、それらの音を実際に聴かせる機会をカーオーディオファンに提供している。同試聴会は各地で大勢の来場者を集め、その音に魅了されるユーザーが着実に増加している、というわけなのだ。ちなみに、同社が毎年12月に発表している、製品の売り上げ実数ランキングである『CAOTY(カーオーディオオブザイヤー)』の結果を見ても、その傾向をはっきりと読み取れる。スピーカーの最高額部門(20万円以上部門)では、「ZR Speaker Lab(ZRスピーカーラボ)」のトップエンド機である『ZR Extravagance Line -brushed- 2way』が、堂々の第6位にランクイン。91万8000円(税込)という価格でありながらこの順位を獲得するのだから、その人気ぶりは推して知るべしだ。“スーパーハイエンド試聴会”は、2018年も各地で開催されるはずだ。もしもお近くでの開催情報をキャッチしたら、その音を体験しない手はない。足を運んで損はない。第7位 『ダイヤトーンサウンドナビ』の2017年モデル、堂々発売!ハイエンドカーオーディオメインユニットの代名詞ともなっている、三菱電機の『ダイヤトーンサウンドナビ』のニューモデルが、今年も新登場した。初代モデルから数えて6代目となる今年のモデルでは、待望の8型機も新たにラインナップに加わった。このことも大きなトピックとなったが、驚かされたのはその音質性能の“深化”度合い。ここにきてまた一段と良さをアップさせてきた。なお、2017年モデルでは、これまであった“スタンダード機”が姿を消し、8型のプレミアムモデル『NR-MZ300PREMI』と、7型のプレミアムモデル『NR-MZ200PREMI-2』の2機構成となっている。音の進化幅が大きいのは前者だ。実際に聴いてみると、サウンドステージの立体感の表現がさらにリアルになり、聴感上のS/N感も確実に向上していた。後者においても、前者の70%程度の進化幅が確保されている。『NR-MZ300PREMI』の性能上昇率が高いだけに、70%とは言いつつも伸び幅は大きい。従来機との比較試聴取材時には、音の“深化”を十二分に感じ取れた。これまで『ダイヤトーンサウンドナビ』に興味を持ちつつも導入を見送ってきたという方は、店頭でその音を是非ともチェックしていただきたい。“買い”の要素が多々あることを、実感できるに違いない。第6位 『サイバーナビ』がオーディオメインユニットとして一層進化!「カロッツェリア」の新型『サイバーナビ』の登場もまた、カーオーディオ界においての大きなニュースの1つとなった。これまでも『サイバーナビ』は、“音の良いナビ”として認識されてきたが、今機では明らかに新境地に達している。“ハイエンドメインユニット”と呼ぶに相応しいレベルにまで、その性能を向上させてきたのだ。注目点は2つ。1つは「サウンドチューニング機能が進化したこと」。これについては一部、一時代を築き上げたカーオーディオ史に残る名シリーズ、『カロッツェリアX』を超えている。専門機としての風格が完全に備わった。そして2点目は、「“ハイレゾ音源”のネイティブ再生が可能となったこと」。これにより、現代のハイエンドカーオーディオメインユニットに求められる性能を、ほぼフルスペックで備えるに至っている。ところで『サイバーナビ』というと高額ナビというイメージがあるかもしれないが、機能を拡張させる“マルチドラブアシストユニット”を同梱しないモデルを選ぶと、実は案外リーズナブル。音を最優先させて敢えて非同梱モデルを選択するというのもアリだ。クルマの中で気軽に本格ハイエンドサウンドを楽しみたいと考えたときには、『サイバーナビ』があることも、くれぐれもお忘れなきように。今回のランキング発表は以上で終了とさせていただく。第5位から第1位までは、大晦日の正午に発表する。お楽しみに。