カーオーディオ愛好家に向けて、製品選びの“傾向と対策”を紹介している当コーナー。現在は、「パワーアンプ編」と題してお贈りしている。その9回目となる今回は、“クラス”についての解説の続編をお届けする。前回、パワーアンプの「働かせ方」の違いとして、「A級」、「B級」、「AB級」があることを説明した。実は、カーオーディオのパワーアンプにはもう1つがある。「D級」がそれだ。「D級」は、それ以外の3つとは仕組みが大きく異なっていて、結果、“高効率であること”、“発熱量が少ないこと”、“小型化が可能なこと”といったメリットを発揮する。ただ、音質については他の“クラス”と比べてビハインドがあった。なので、サブウーファー用のアンプに採用されることが多かった。パワーが優先される局面で力を発揮してきた、というわけだ。しかしながらここ十数年においては、その図式はほぼ崩れ去ったと言っていい。高音質を実現する「D級アンプ」が続々と登場してきているのだ。また、小型化もますます進んでいる。“ウルトラスモールアンプ”と呼ばれる超小型モデルも多々登場してきた。これらは、シート下はもちろん、場合によってはグローブボックス内に収まるほどの小型化が達成されている。なお、タイトル写真として使った『ロックフォード・フォズゲート T400X4ad』では、「A級」と「D級」のいいとこ取りをした「AD級」が採用されている。このように、「D級」の技術はますますの進化が果たされている。“省スペース”、“省電力”にこだわるのであれば、「D級」アンプにも注目しよう。音質性能的にも満足度の高い「D級」アンプは、結経多い。今週はここまでとさせていただく。次週もパワーアンプについての分析を継続する。お楽しみに。