カーオーディオを趣味とするときの、楽しむべき1要素であるサウンドチューニングについて、多角的に解説しようと試みている当コーナー。まずは第1章として、「イコライザー」について掘り下げている。今回は、簡易的なタイプにおいての使い方のコツを紹介していく。前回から、「イコライザー」のタイプ違いの解説を始めた。そして先週は、簡易的なものとして、2バンド、もしくは3バンドタイプの「トーンコントロール」と呼ばれているものがあり、それよりワンランク高度なものとして、5バンドくらいの「イコライザー」が存在していることを紹介した。今回は、これらの使い方のコツを紹介していく。最初に、基本的な注意事項を紹介しておきたい。これはすべてのタイプにおいて言えることなのだが、何バンドであろうとも、「すべてを目一杯上げる」のはNGだ。どうせなら全部上げたほうが音にプラスに働くのでは、と感じている方もいるかもしれないが、それは「ナシ」だ。そのような操作をしてしまうと、もともとの音との乖離が進んでしまうだけである。ご注意を。さて、2バンドや5バンドといった簡易的な「イコライザー」であっても、これを効果的に運用するコツがある。代表的な2つを紹介していこう。1つ目は、「大音良で聴くときには“バス”を絞る」というもの。音量を上げていくと低域のパワーが増大し、これがドア内部の鉄板をビビらせる原因になりがちだ。そんなときは“バス”を絞り気味にすると、音量はそのままで鉄板のビビりを減らすことができたりする。もしもビビリ音が聴こえてきたら、ぜひともお試しを。もう1つは、音量を下げているときのコツだ。音量が小さいと、人間の耳は低音と高音が聴こえづらくなる。こんな場合には“バス”と“トレブル”をちょっとずつ上げてみよう。そうすると、全体のバランスを整えることができるのだ。ちなみに、自動的にそれを行える機能も存在している。名称は「ラウドネス」。この機能は、多くのメインユニットに搭載されているので、名前を目にしたことがある人は多いはずだ。しかし、使い方がイマイチ分かっていなかった方もいるかもしれない。「ラウドネス」とは、これをオンにしておくと、音量が下がったときにオートで高音と低音を持ち上げてくれる機能である(一部、低音増強機能にこの名称が付けられている機種もある)。であるので、これをオンにしておけば、小音量時に「トーンコントロール」をいじる必要はなくなる。しかしながら、その掛かり具合を自分で調整したいときには、「ラウドネス」は使わずに「トーンコントロール」で操作してみよう。今週はここまでとさせていただく。次週もこれに引き続いたテーマでお贈りしていく。お楽しみに。