モーターファンフェスタは実際に見て、体験して感じることのできるクルマの祭典。その目玉イベントの一つが富士スピードウェイが誇る1500mのホームストレートに名車でずらりと埋め尽くされる「スーパーグリッドウォーク」。ここで「チーム若武」のホンダ『シビック1200RS』が展示された。「チーム若武」は東京大学とホンダ学園(ホンダテクニカルカレッジ関東)の合同チーム。海外ヒストリックラリーに参戦し、優勝を目指し、世界の舞台で大人たちと競い合えるように経験を積んでいく「ものづくりと国際化教育の融合」を目指した、東京大学とホンダ学園において開講されている正規の授業だ。このプロジェクトをまとめる東京大学非常勤講師の吉野裕仁氏は「このクルマはこの春にニュージーランドのタルガ・ロトルアを完走しましたが。2017のシーズンを勝ち抜くために事前に準備をし、備えていったのですが、なんと現地に入って2017年向けに作ったクルマでは車検に通らないことがわかりました。しかし、スペアのマシンとして持ち込んでいた2016年用のマシンのボディであれば出場できるというのです。そこで学生たちは夜通し作業し、2017年用のマシンからエンジンや足回りをすべて外し。2016年用の車体に乗せ換える作業を行いスタートに間に合わせました」と話す。2017年は「このシビックの弱点であるブレーキもドライバーを務めた篠塚健次郎さんから要請もあり、学生たちが設計し、自分たちで切り出して組み付け、ブレーキを6ポッドのキャリパーにしました。篠塚さんからも、これならいけるというお墨付きを頂けるレベルのものに仕上がりました」という。クルマの影に人あり、クルマにストーリーあり。ランチア『ストラトス』や、『037ラリー』、シトロエン『BX 4TC グループB』などと一緒に並ぶために展示されたシビック1200RS。一見そんな中に並ぶと控えめなそのいで立ちながら、懐かしさで写真に収める人、質問する人など、多くの人が足を止めていた。