新型『プリウスPHV』の試乗日はあいにくの雨。できれば天気のいい日に乗りたかったが、気を取り直して雨の中、一般道から首都高速道路に向かった。EVモードを選んで走り出すとほとんどモーター音が聞こえず、車内にはワイパー音や濡れた路面からのロードノイズがわずかに聞こえる程度で静粛性が高い。一般道の信号からの加速で深くアクセルを踏み込んでもEVモードが解除されることはなく、モーター駆動のまま速度を上げていく。首都高速道路に入る前にEVモードのまま、走行モードをパワーに変更。料金ゲートを通過してアクセルを踏み込むとスポーティモデル並みの力強い加速を発揮する。基本メカニズムは『プリウス』と同じだが、プリウスPHVは発電用モーターを駆動用として使える「デュアルモータードライブシステム」を新採用。そのためプリウスとは段違いの加速力を実現している。さらにEVのまま135km/h(先代は100km/h)まで加速できるため、高速道路でもEV走行のまま走ることが可能。また、EVのようにモーター駆動だけで走れる距離が先代の26.4kmから68.2kmと大幅に長くなったのもうれしい点。高速道路をEVモードのまま走ると電池の消耗が大きいが、1時間弱の試乗時間の大半をEVのまま走行することができた。EVのように使えるプリウスPHVは魅力的な存在だが、車両価格が少々高い。昨年行われたプロトタイプ試乗会では、本格的に普及を目指すと説明されていただけに、もう少し安い価格を想像していた。もっとも安いSグレードは約326万円だが、300万円を切る大胆な価格設定にしてほしかった。さらに注目のソーラー充電システムは、重量の関係でS系のみにオプション設定で価格も約28万円と高い。乗車定員が4人というのもリヤ荷重に配慮した結果だ。■5つ星評価パッケージング:★★★インテリア/居住性:★★★パワーソース:★★★★フットワーク:★★★★オススメ度:★★★丸山 誠|モータージャーナリスト/AJAJ会員自動車専門誌やウェブで新車試乗記事、新車解説記事などを執筆。キャンピングカーやキャンピングトレーラーなどにも詳しい。
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