初のモデルチェンジとなったマツダ『CX-5』。新世代のSUVデザインに心ときめかせた人も多いと思うが、ナビを含めたAVシステムは国産車では数少ない専用システム「マツダコネクト」を採用する。その中で注目なのが「Boseサウンドシステム」だ。◆車格を考えたら「Boseサウンドシステム」は欠かせないCX-5はデザインの美しさもさることながら、その堂々たるプロポーションは、その存在感で間違いなく国産SUVのトップクラスに位置づけられる。その一方でオーディオ的には意外なほどチープで、最上位の「Lパッケージ」でさえ、ノーマルでは前後左右のドアに4スピーカーが組み合わされるだけなのだ。この状態でのサウンドは車格に不釣り合いなものでしかない。そこでBoseサウンドシステムの存在が大きくクローズアップされるというわけだ。Boseが手掛ける車載サウンドシステムは、車両開発の初期段階から車両メーカーと協業し、車種専用としていることが最大の特徴。そのため、イコライジングも車内の特性に合わせてプリセットでき、後付けでその都度インストールして調整するよりもはるかに低コストで音場の最適化が出来る。CD/DVDプレーヤーとのセットで12万円弱(税込)の追加で実現できているのもそのためで、その意味で想像以上にお得にシステム化されていると言っていいだろう。システムは、Boseが開発したデジタルアンプを核に全10スピーカーを組み合わせた新世代のオーディオシステムとなっている。特にCX-5でポイントとなるのがステレオ音声から5.1ch相当音声を再生するバーチャルサラウンド機能「Centerpoint」(センターポイント)の搭載だ。限られた車内空間では音場の広がりには限界があるものだが、この効果によって広がりある再生音が楽しめるものとなっている。再生してまず感じたのは、しっかり前方定位された中高域と豊かな低音再生だ。ボリュームを上げていくと徐々に力強さを増し、それでいて耳に対しては負担なく自然に響いてくる。そのバランス感がとても心地良いのだ。Aピラーにはシルクドーム採用の25mmツイーターがセットされるが、その効果も大きいかもしれない。ここで、センターポイントを効かせると、多少音像が曖昧になるものの、フワッとした空間での再生が再現される。特にライブ録音されたソースではその効果がハッキリと分かる。◆特にライブ感で素晴らしい音場を再現したリアシートなかでも素晴らしいと感じたのがリアシートでの体験だ。リアシートに座ると広がり感はさらに増す。しかも、しっかりとステージが前方に広がる雰囲気がきちんと再現されている。ことライブ感という観点に立てば、フロントよりもリアの方が勝っているかも知れない。これはダッシュボード上にある80mm口径ツイドラーと、Cピラーに用意された60mm口径ツイドラーのバランスが極めて良好に設定されているからと思われる。このサウンドこそ、このシステムの持ち味となっていると言えるだろう。その他、このBoseサウンドシステムには内蔵マイクで走行ノイズを拾いながら最適な音質に調整する「AUDIOPILOT」(オーディオパイロット)も搭載する。CX-5はディーゼル車が主力となっている車種でもあり、その分だけエンジン音がノイジーなのは否めない。その意味で、車速域が上がって走行ノイズが増えてもほとんど変わらぬサウンドが楽しめるわけで、その意味でもこの機能は見逃せないポイントとなっている。初のモデルチェンジでグレード感を大きく高めた新型CX-5。その車格に見合うだけのサウンドを体感したいなら、ぜひ新車注文時にBoseサウンドシステムを選ぶべき。後付け出来ないシステムだけに、多くの人にとって12万円弱というコスト以上のメリットを実感できるはずだ。
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