好みのカーオーディオ製品を選ぶためのコツをご紹介している。現在は、スピーカーを力強く、解像度高くドライブさせるためのユニット、パワーアンプの選び方について考察している。第4回目となる今回からは、ポイントとなるスペックについて、それぞれの意味を考えていく。“聴いて選ぶベシ”という前提に立ちつつ、そうは言いながらも把握しておくべきスペックについて解説していこうと思う。まず今回は、駆動方式の違いを表す、「クラス」について見ていく。「クラス」というと“性能のグレード”を表す言葉のようなイメージを受けるかもしれないが、ここでいうのはあくまでも“働かせ方”の違いだ。ざっくり、仕組みの分類だと思っていただきたい。ちなみに、カーオーディオで一般的なのは「AB級」と「D級」だ。そして少数派として「A級」も存在している。この中で、もっとも音質的に有利だとされているのが「A級」だ。しかしながら、小出力・大電流というのがウィークポイント。そして発熱量も多いので、気温の高い夏場などは特に、オーバーヒート的な状態に陥らないように注意する必要も出てくる。場合によっては、電源強化を要するケースもある。それに対して、効率を追求したのが「B級」で、「A級」と「B級」のいいとこどりをしたのが「AB級」だ。結果、「AB級」が使いやすく、カーオーディオでは多くのモデルが「AB級」となっていた、というわけなのだ。しかしながら、最近は少々状況が変化しつつある。「D級」アンプが勢力を拡大しつつあるのだ。なお、「D級」アンプは「デジタルアンプ」とも呼ばれていて、その仕組みをざっと説明すると…。このタイプのパワーアンプでは、入力された音楽信号がまずは一旦、0と1のパルス信号に変換される。そしてそのままの状態で増幅され、その後にまたアナログ信号に戻される、というようなイメージだ。この仕組みによるメリットは、効率が良いこと、消費電力が少ないこと、発熱量が少ないこと、小型化が可能なこと。逆にデメリットは、“高周波ノイズ”が発生しやすいこと、である。だがしかし、皆さんもご存知のとおり最近は、音質性能の高い「D級」アンプが増えている。その上で利点をさらに伸長させ、超小型化も実現されている優秀機が増えているのだ。省スペースを重んじるならば、「D級」アンプが狙い目となっている。今週はここまでとさせていただく。次週も引き続き、主要スペックの意味を解説していく。お楽しみに。