貨物トラック限定の新区分「準中型免許」新設や75歳以上の臨時適性検査など高齢運転者対策を盛り込んだ改正道路交通法が3月12日から施行される。松本純国家公安委員長は10日の会見で「改めて医療福祉関係者、高等学校関係者、トラック業界、自動車教習所業界など各方面のご協力と高齢運転者をはじめとする国民の理解をお願いしたい」と、述べた。準中型免許は貨物トラックの限定した新設区分で、若年ドライバーの育成を目的とする。普通免許がなくても、18歳以上であれば取得可能で、車両総重量3.5トン以上7.5トン未満(最大積載量2トン以上4.5トン未満)のトラックを運転することができる。いわゆる2トントラックの運転が可能となる。これまでの普通・中型・大型という区分制度では、中型免許は普通免許を取得して2年以上経過した20歳以上でなければ取得できなかった。準中型は教習日数が普通より最短でも2日長い17日間が必要。教習費用も普通より約4万円割高だが、免許をまったく所持しない状態から取得が可能だ。一方で、改正後の普通免許では、車両総重量3.5トン未満、最大積載量2トン未満しか運転できなくなる。高齢運転者対策では75歳以上の運転者に3年に1回の免許証更新時に義務付けられた認知機能検査のほかに、新たに検査で「認知症のおそれあり(第1分類)」と分類された運転者が、一定の期間内に対象となる18の違反のいずれかの行為をした場合には、臨時適性検査を受けて医師の診断を仰がなければならないと定めた。認知症であることが判明した場合は、免許の取消し等の対象になる。また、認知機能検査で「認知症のおそれあり(第1分類)」、「認知機能低下のおそれあり(第2分類)」と判定された高齢者講習は、実車指導時の運転をドライブレコーダーで記録。その映像を参考にした個人指導などが加わりを高齢者講習の時間が延長される。講習時間は3時間、手数料7500円。「認知機能低下のおそれなし(第3分類)」の講習は簡略化される。講習時間2時間、手数料4650円。