日本自動車大学校(NATS)は毎回、東京オートサロンに学生が手づくりした改造車を披露している。今回は9台を紹介、どれも元車がわからないほどの出来映えで、なかでも圧巻だったのがスズキ『ジムニー』を2台使って再現したメルセデスベンツの『AMG J』だろう。なにしろ6輪車で、フロントは本物そっくりだからだ。なんでも矢部明理事長が海外で一目見て気に入った車で、学生がどんな車をつくろうか悩んでいる時に『AMG J』をつくってほしいと提案したそうだ。しかも、そのためにジムニーを2台提供した。しかし、製作は苦労の連続だった。「フェンダーが一番難しかったです。鉄板を曲げて一からつくったんですが、やはり隙間ができてしまって、パテで何度も修正せざるを得ませんでした」と製作者の学生は振り返る。フロントマスクもバンパーやヘッドライトは本物から型を取って、ジムニーサイズに縮小した。また、燃料タンクやバッテリーを移設したりもした。「7月から12人で製作を開始し、できあがったのは東京オートサロン開幕の2日前でした」と学生は話し、正月を返上し、徹夜で作業したこともあったそうだ。これから車検を取って、3月に卒業旅行で伊豆を9台でドライブする予定だが、学生はその日を楽しみにしている様子だった。