カーオーディオユニットをクルマに取り付けることを“インストール”と呼ぶのだが、この良し悪しで、仕上がりの音の質が大きく変わることをご存知だろうか。そのメカニズムを多角的に考察している当コーナー。今週は、サブウーファーボックスのタイプ解説を行っていく。前回は、サブウーファーボックスの必要性を解説した。それを踏まえ今回は、“箱”のタイプ解説を行っていこうと思う。サブウーファーボックスは、大きく分けて、以下の3タイプに分類できる。1・シールド・ボックス2・バスレフ・ボックス3・バンドパス・ボックス以上だ。もっともスタンダードなタイプが、1の「シールド・ボックス」である。密閉型のボックスであり、3つの中ではもっとも容量を小さくでき、かつ、締まった、レスポンスの良い低音を出しやすい。前回も解説したように、スピーカーユニットは、裏側からも音を発する。それを閉じ込めるためにボックスが必要となるわけで、「シールド・ボックス」は、その役目をシンプルに担ってくれる。なお、箱の中の空気は、スピーカーにとってのサスペンション的な効力も発揮する。容量を小さくすればサスペンションは硬くなり、容量を大きくすればサスペンションは柔らかくなる。その塩梅を調節することで、サウンドをコントロールすることが可能となる。それに対して「バスレフ・ボックス」とは、スピーカーユニットの裏側から発せられる音を直接的に利用しようとするものだ。ボックスの内部で裏側の音を反転させ、“ポート”と呼ばれる穴からそれを表側に放出する。ホームオーディオのスピーカーでも、表側に穴が空いているものがあるが、それも「バスレフ・ボックス」だ。このようにすることで低音を増強することが可能となる。しかも、“ポート”の長さや大きさ等々を計算することで、増強する周波数帯をコントロールすることも可能となる。そして、「バンドパス・ボックス」とは、“ポート”の内部にサブウーファーを閉じ込めた作りをしているボックスである。箱の中に箱がある、といった構造となっている。最近は、“バンドパス・ボックス”が用いられるケースはかなり減ってきた。サウンドのコントロールが難しく、かつ、ボックスも大きくなりがちなので、搭載するにはもろもろと難易度が高いからだろう。サブウーファーボックスのタイプ解説は以上だ。次回は、サブウーファーボックスを製作する際に、どのような工夫がなされているかを解説していく。お楽しみに。