取り付けの良し悪しが、音の良し悪しに直結するのがカーオーディオの難しさであり、奥深さだ。そこのところについて全方位的に検証している当コーナー。今週からは、新たなテーマに突入する。カーオーディオにおける重要事項、「電源」について考えていく。カーオーディオの取り付けがひと筋縄でいかない要因は、「やり方次第で音の良し悪しに影響が出るから」であるのだが、実はもう1つ、状況を複雑にする要素がある。それが、「電源」だ。スピーカー交換においては電源についてのケアは必要ないが(音楽信号を受ける配線の処理は重要だが、電源供給は必要としないから)、それ以外の、メインユニット、プロセッサー、パワードサブウーファー、パワーアンプ、これらの取り付けにおいては、電源確保に関していろいろとケアが必要となってくる。シガーソケットから電源を取って…、というような単純な話ではないのだ。ただしメインユニットについては、簡単にすませることは可能だ。カーメーカー純正のメインユニットの裏側では、さまざまな配線がカプラーに集約されている。メインユニットを交換する場合、車体メーカーのカプラーに適合するハーネスを用意すれば、カプラーオンで配線作業は終了する。そのカプラーに電源配線も含まれているので、電源確保を簡単にすませることは十分に可能だ。しかしこれが、パワードサブウーファー等になると話が違ってくる。純正状態では存在していないものなので、それ用の電源線が存在していない。であるので、どこかしらから電源線を引っ張り込む必要が出てくるのだ。メインユニットの裏側等から、“常時電源”ないしは“ACC電源(アクセサリー電源)”を探し出し、それを分岐させて引っ張ってくるか、もしくは、“バッ直”と呼ばれる、バッテリーから直接引っ張ってくるやり方かのどちらかで、電源を確保する必要が出てくるのである。そして、どの方法で電源を確保するにしても、安全への配慮が十二分に必要だ。今週はここまでとさせていただく。次週以降では、電源にまつわる安全確保についての話や、電源確保のやり方次第で音にも影響が出ることなどなどについて、多角的に話を進めていこうと思う。次週もお読み逃しなきように。