スパークプラグのトップブランドである日本特殊陶業(NGK)は、昨年8月に発表したイグニッションコイルを展示していた。補修部品として整備工場やガソリンスタンド向けに販売している。バッテリーからの電圧を昇圧しスパークプラグに火花を飛ばすためのイグニッションコイルは、プラグと違って本来消耗品ではないが「昨年の発売以来、アフターの補修部品としてよく売れている」(アフターマーケット技術サービス室 副主査 伊藤志郎氏)という。消耗品扱いではないため、メーカーにも交換サイクルや寿命についての基準はないが、コイルを構成するエナメル線の劣化によりリークが発生することがある。コイルにトラブルがあったり、プラグに問題があったりすると、燃焼室内の電極ではなく、プラグキャップ部分と座金の間に電流がリークしてしまい、火花が飛ぶこともある。このような状態は、コイルにも悪影響をあたえ、寿命を縮めてしまう。コイル劣化の主な要因は振動と熱だそうだが、エンジンルームに余裕のない軽自動車ほど、コイルの劣化が進みやすい。何年、何万キロという交換目安の提示は難しいが、リークが発生していたり、劣化したプラグを長期間使ってしまったような場合は、「プラグだけでなくコイルの交換もおすすめ」(伊藤氏)だという。また、昔はひとつのイグニッションコイルで、すべてのプラグに電気を分配していたが、現在はプラグごとにコイルを配置している。交換する際は、予防整備を兼ねて同時に全部を新品にすれば完璧だそうだ。
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