『118d』が搭載するのは、2リットルの4気筒ディーゼルターボ(150ps/32.6kgm)。JC08モード22.2km/リットルの燃費性能も実現、スペックからも走りと高効率を両立させたモデルであることが読み取れる。では実際の走りはどうか?というと、想像以上の軽快さ、楽しさだった。車重は1480kg(前/後=760/720kg)と、ガソリンエンジンの「118i」や「120i」に対し、ざっと40~50kgのプラス。ところが車重差は乗り味のしなやかさや振動の起きにくさに貢献はしても、決してネガには感じない。低速から力強く、レッドゾーンが始まる5400rpm手前まで、まるでガソリンエンジンのように軽やかな吹け上がりをみせ、クルマを走らせる。太過ぎないグリップのステアリングから伝わるクルマの挙動は、しなやかな『1シリーズ』のそれだ。FRならではの、ときに目覚ましく鮮やかな身のこなしも楽しみだ。ドライバビリティは、とにかく静か、なめらか、低振動…の印象で、BMWに乗っていることを改めて実感させてくれる。ピタリと身体を支えてくれる後席の居住性もいい。快適だがさり気なくスポーティな、紛れもなくBMWブランドのフィロソフィーが体現されたモデルといっていい。 ■5つ星評価パッケージング:★★★★★インテリア/居住性:★★★★★パワーソース:★★★★★フットワーク:★★★★★オススメ度:★★★★★島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。
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