ハンドリングが変わる「減衰力自動調整」のメリット | CAR CARE PLUS

ハンドリングが変わる「減衰力自動調整」のメリット

特集記事 コラム
増えてきている減衰力自動調整とはどんな効果を持つのか!?
  • 増えてきている減衰力自動調整とはどんな効果を持つのか!?
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  • 増えてきている減衰力自動調整とはどんな効果を持つのか!?
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減衰力をモーターの力で室内から調整できるだけでなく、自動的に最適化するプログラムが各社から登場している。自動調整とはどんな効果があって、どんな状況で威力を発揮するのか。

減衰力とはサスペンションの動きを抑える力のこと。クルマのボディはスプリングが支えている。だが、スプリングだけだとボヨンボヨンと上下動が止まらなくなってしまう。そこでオイルの中を、穴開きピストンが往復することによって、動きすぎを抑えるのが減衰力と呼ばれる力だ。

この減衰力はサスペンションの動きすぎを抑える目的だったが、減衰力の強さによってサスペンションの沈み込むスピードを調整できる。減衰力がたっぷり効いているとジワッと時間を掛けてサスペンションは沈む。逆に減衰力が弱ければサスペンションは素早く沈むようになる。

このような減衰力を上手く使うことで、クルマはもっと曲がりやすくなったり、トラクションが増えたりする。サスペンションセッティングの重要な部分なのだ。

そこで気になるのが減衰力調整機構だ。通常一般的な単筒式構造の場合、ピストンとは別にシャフトの中が中空になっていてオイルが抜けるようになっている。この部分の抜ける量を調整するのが減衰力調整機構。調整を締めていくとその穴にニードル状の棒が入っていって、通過するオイルが減っていく。そうなるとオイルが抜けにくくなり、減衰力は強くなる。逆に減衰力を緩めていくとこの穴からオイルが通過しやすくなり、スムーズに動くようになる。

問題となるのはその調整だ。サーキットで調整するのはいいとして、たとえば高速道路ではちょっと締めてフラフラ感をカット。街乗りで少し緩めてサスを動かそうなんて思っても、その都度クルマから降りて調整をするのは大変。

サーキットでも微調整をするごとにピットインして、調整してまたフルハーネスを締め直してコースイン。と繰り返していたらあっという間に走行時間は終わってしまう。そこで生まれたのが減衰力の遠隔調整だ。

モーターによって室内から任意の減衰力に調整できる装置がテインなどから発売されている。そして、それをさらに進化させて自動調整にしたのがテインのEDFC5やブリッツDSC PLUSだ。

◆速度や前後左右のGに応じて自動的に減衰力が変わる

自動調整とはどういうものかというと、たとえばEDFC5の場合、設定してある速度に応じて変化や、Gに応じて変化させることができる。

80km/h以上になったら減衰力が強まる設定にしておけば、高速道路に入ったらやや引き締めてフラフラ感をカットするなんてことができる。

前後左右のGに応じて減衰力が強まるようにしておけば、ブレーキングすると瞬時にフロントサスペンションを引き締めてノーズダイブを防ぐ。加速時はリアが締まるようにしておけば、リアサスが沈むのを防ぐなどが可能。クルマの姿勢がフラットに近づくことで、より安定して走りやすくなる。そういった制御ができるのが自動調整のメリットなのだ。

さらにEDFC5ではジャーク制御というものが追加された。これはロールしていくときには減衰力を強めて、ロールした状態で姿勢が安定したら再び減衰力を弱くすることができるという制御。

これまではコーナリング時にはずっと減衰力は引き締められたままだったが、ロールするときだけ締めて、安定期には再びソフトなサスペンションとすることが可能になったのだ。

ブリッツのDSC PLUSは走行状況や乗車人数に応じて姿勢が安定するように、減衰力をフルオートで自動制御していく機能が特徴的。走行する道路に応じて徐々に変化していくので、常に最適な減衰力を得ることができるのだ。

どちらもオート機能はあるが、その上でどんな動きをするか任意でセッティングも可能。それによって好みのハンドリングに調整できるのだ。

減衰力だけがセッティングではなく、そもそもの車高の設定とその前後バランスは減衰力以上に重要。もちろんアライメントなども適正であることが前提だ。それらの重要な要素があり、その上で味付けとして減衰力の自動調整はとても有効な手段。価格が高かったり、取り付けに際して手間とコストも掛かるが、それ以上のリターンがある最新チューニングパーツが減衰力の自動調整機能なのだ。

一瞬でハンドリングが変わる! 注目の減衰力自動調整のメリット~カスタムHOW TO~

《加茂新》
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