150名超の若者がジムカーナで激戦!「自動車部新人戦」が国内最大級の規模に | CAR CARE PLUS

150名超の若者がジムカーナで激戦!「自動車部新人戦」が国内最大級の規模に

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カラーリングも鮮やかな慶應義塾大学のスターレット
  • カラーリングも鮮やかな慶應義塾大学のスターレット
  • 激戦を繰り広げた慶應義塾大学のホンダCR-X
  • up!GTIを駆るのはレディースクラスの女子部員
  • スタートラインにはレッドブルの巨大なバルーンが設置された
  • 今大会には多くのスポンサー企業が参加していた
  • コースを覚えるために”慣熟歩行”を行う参加者たち
  • 朝のミーティングに集まる参加者たち
  • 白が一際輝いていた青山学院大学のミラージュ

「関東自動車部ジムカーナ新人戦2023(新人戦)」が3月11日、開催された。参加人数は大会史上最多の156名。「クルマ好きの若者の減少」など感じさせない熱戦が、富士スピードウェイを舞台に行われた。

◆参加人数は156名! 全日本戦を凌ぐ規模に

新人戦は、自動車部の新2年生・新3年生を対象に行われるジムカーナ大会。自動車部は大学の体育会ということもあり、下級生が早くから選手として活躍することが難しいという事情がある。そこで、下級生たちが選手となり、大会特有の緊張感を経験してもらうことを目的に、毎年2月に新人戦が開催されている。

2023年度の新人戦も2月に開催予定だったが、大雪に見舞われて会場が使用不能になるというアクシデントが発生。一時は開催そのものも危ぶまれたが、大会日程を1か月延期し、なんとか開催に漕ぎ着けた。

迎えた大会当日は春の日差しが差し込む絶好のジムカーナ日和。日程変更に伴って人数の減少があったものの、会場に集った参加者はなんと156名。エントリー人数だけでいえば、全日本ジムカーナを上回るなど、かなり大きな規模の大会となった。

◆「お祭り」的な唯一無二の自動車部向け大会

ジムカーナ大会といえば、一触即発のピリピリとした雰囲気を想像されるかもしれない。実際、普段の大学自動車部が参加する大会は、そのようなイメージが当てはまる。しかし、モータースポーツの楽しさを若い部員たちにも知ってもらうことが大会目的の1つでもあることから、様々な仕掛けが施されている。

そのうちの1つが4つのクラス分けだ。参加車両の搭載エンジンによって分けられる「ハイパワークラス」「ローパワークラス」に加え、女子部員を対象にした「レディースクラス」、サイドブレーキを使わない車両・部員に向けた「ノーサイドクラス」が用意される。自身の腕やマシンに見合ったクラスで、同世代のライバルと競うことができるのだ。

また、豪華な賞品も新人戦の名物。入賞者には高級ブレーキフルードや工具など、自動車部的カーライフに役立つグッズが数多く贈られる。会場には協賛企業のブースも出展しており、お祭り的な大会の雰囲気を盛り上げるのに一役買っていた。

◆『CR-X』から『リーフ』まで、バラエティ豊かな自動車部マシン

大会にエントリーする車種はバラエティに富んでいる。ジムカーナ界隈ではお馴染みのホンダ『シビック』やトヨタ『86』といったスポーツカーから、コンパクトカーの『ヴィッツ』、『カローラ』、珍しいところでは日産『リーフ』やプジョー『307CC』が出場している。フォルクスワーゲン『up!』とホンダ『CR-X』が優勝争いをするジムカーナ大会は、全国を探してもここだけだろう。

自分の車で参戦する選手もいるが、大学の部車1台を複数名でシェアして参戦する選手が多いのも特徴だ。多い大学だと1台に10名以上が交代で乗車する。運転技術はもちろんだが、部員の皆で整備した車両のハンドルを預かる責任感も、「新人」たちにとっては大切な経験になる。

◆和気あいあいでも勝負はバチバチ! 豪華賞品の行方は?

大会そのものは和気あいあいとしていても、熱い勝負が繰り広げられていることに変わりはない。女子部員によって争われるレディースクラスは10名を超えるエントリーを集め、慶應義塾大学のCR-Xと、法政大学のup!が熾烈な優勝争いを展開。午前は新型車ならではのスタビリティを武器に法政大学の中野選手が先行するも、午後に入るとCR-Xの持つパワーを存分に発揮した慶應義塾大学の早川選手が逆転。難易度の高いサイドブレーキを使った技を活用し、慶大が女子ワンツーフィニッシュを決めた。

ノーサイドクラスは部車の『スイフトスポーツ』でエントリーした中央大学勢が圧巻の走りを披露。優勝の野村選手を筆頭に、入賞枠を全て中大で埋めてみせた。合計で40名程度が参加するという激戦区となったローパワークラスは、新3年の部を千葉工業大学の宮澤選手、新2年の部を拓殖大学の喬選手が制した。

最速クラスでもあるハイパワークラス。新3年の部は日本大学と慶應義塾大学が1本目から接近戦を演じる。午後に行われる2本目では慶大の山村選手が渾身のアタックを見せ、日大の神戸選手を僅かに上回るトップタイムを記録する。しかし、山村選手は痛恨のパイロンタッチペナルティにより後退。勝負は日大の神戸選手に軍配が上がった。新2年の部は國學院大学の伊藤選手がぶっちぎり。2番手以降を秒単位で突き放す圧勝を飾った。この日の全体ベストも記録した伊藤選手は、今シーズンの台風の目となる予感だ。

大会結果は以下の通り。

(レディースの部)
1位:慶應義塾大学・早川杏樹
2位:慶應義塾大学・井上智尋
3位:法政大学・中野百々花
4位:中央大学・古川佳愛
5位:中央大学・武内ゆい
6位:東京農業大学・武知里美

(ノーサイドクラス・新2年の部)
1位:中央大学・野村飛美樹
2位:中央大学・倉品翼
3位:中央大学・古橋陽太
4位:中央大学・伊藤光翼
5位:中央大学・齋藤匡馬
6位:中央大学・鈴木明欧進

(ローパワークラス・新3年の部)
1位:千葉工業大学・宮澤薫
2位:東京理科大学・藤井一輝
3位:工学院大学・小澤颯騎
4位:千葉工業大学・青柳明日華
5位:専修大学・福田颯人
6位:駒澤大学・大里一仁

(ローパワークラス・新2年の部)
1位:拓殖大学・喬政
2位:千葉工業大学・能瀬翔己
3位:慶應義塾大学・谷昇
4位:國學院大学・大谷優生
5位:上地大学・内野友太
6位:拓殖大学・光山恭介

(ハイパワークラス・新3年の部)
1位:日本大学・神戸悠希
2位:慶應義塾大学・山村亮輔
3位:日本大学・大矢公平
4位:慶應義塾大学・大久保龍成
5位:日本大学・加藤桂太
6位:法政大学・小山航海

(ハイパワークラス・新2年の部)
1位:國學院大学・伊藤眞央
2位:青山学院大学・堀田大智
3位:日本大学・白川博基
4位:日本大学・高橋裕太郎
5位:青山学院大学・横堀太一
6位:日本大学・小川圭太

《中野 龍太》

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