「サウンドチューニング機能」を操れるようになると、カーオーディオという趣味をさらに深く楽しむことが可能となる。そのためのノウハウをさまざま紹介している当コーナー。現在は、「イコライザー」にスポットを当てている。
前回は、“13バンドタイプ”の「イコライザー」の操作のコツを解説した。今回はさらに踏み込んで、“31バンドタイプ”の「イコライザー」について考察していく。
とは言うものの、“13バンドタイプ”についても同じように活用できることが多いので、愛機の「イコライザー」が“13バンドタイプ”の方も、当記事を大いに参考にしていただきたい。
なお、“31バンドタイプ”ともなると、“左右独立”、または“ch独立”というように、より詳細なコントロールが可能となっていくのだが、まずは“LR同期”モードで操作することをおすすめしたい。“独立”で調整するのは、ある程度慣れてきてからにしたほうがいいだろう。
さて、前回の解説の中で、「1つ1つのバンドを上げていき、嫌な感じがしたらそのバンドを下げる」というやり方を紹介した。これはつまり、“ピーク”が出ているバンドを探す、というプロセスだった。逆に、“ディップ”となっているバンドは、対処が難しい。であるので「イコライザー」の調整は、「下げる」が基本だと考えたい。
“ディップ”への対処が難しい理由は以下のとおりだ。
バンドを1つ1つ上げてみて、もしも聴こえ方が変わらないバンドがあったとしたら、その周波数帯は“ディップ”になっている可能性が浮上する。上げても音が変わらないということは、そのバンドの音がキャンセリングされている(音が消えている)と考えることができるわけだ。つまり、消えてしまっている音は、「イコライザー」のツマミを上げたところで、変化のしようもないのである。もしもキャンセリングされているバンドが見つかったら、そのバンドは触らないほうが良いだろう(対処法は、スピーカーの取り付け方等々を見直すしかない)。
今週はここまでとさせていただく。次週も「イコライザー」調整のコツの紹介を継続する。お楽しみに。
【サウンドチューニング大辞典】第1章「イコライザー」その9「使い方のコツ Part3」
《太田祥三》