12月3日、心地よい小春日和の中、東京都国立市にある谷保天満宮を主会場に「谷保天満宮旧車祭2017」が開催され、戦前や昭和のクラシックカー、スーパーカーなど約200台が集まった。主催はオートモビル・クラブ・ジャパン(ACJ)。
このイベントは、1908年(明治41年)に“自動車の宮様”とも呼ばれた有栖川宮威仁親王が「遠乗会(とおのりかい)」と称する日本初のドライブツアーを、谷保天満宮を目的地として開催されたことを記念して行っているもの。当時、日本で初めての自動車クラブとなるACJが設立され、また谷保天満宮で日本初の交通安全祈願も行われたという。
その最初のドライブから100年経(た)った2008年に、地元国立の旧車愛好仲間が遠乗会を再現。そこから当イベントが始まった。そして新たにACJも再結成され、現在では約470名の会員を数える大所帯となっている。
本殿前で行われたオープニングイベントでは、ACJ会長の是枝正美氏など関係者あいさつと玉串奉奠(たまぐしほうてん)が粛々と行われた。その後、子供神輿(みこし)が元気よく登場。神輿にのるのは、威仁親王が造らせた国産初のガソリン自動車『タクリー号』というのが、いかにもこのイベントらしい。またACJが製作した同車のナンバー付レプリカ車も境内に入り、来場者の喝さいを浴びた。
エントリーしたクラシックカーは、ACJ会員を中心とした約200台。境内のほか、JR南武線谷保駅周辺の特設会場にも分散して展示された。戦前のダットサン『16型』や日本では1台しか登録されていないというラゴンダ『ドロップヘッド・クーペ』、独創的なスタイルのパナール『ディナ』、80年代のスーパーカー、ランボルギーニ『カウンタック 5000 クワトロバルボーレ』、シングルナンバーの初代トヨタ『クラウン』、今年発売50周年を迎えたマツダ『コスモスポーツ』など、バラエティに富んだ旧車が並んだ。
この日は昭和のレトロバス、日野『RC700』による無料シャトルバスの運行や、東京発動機運転会による運転パフォーマンスなども行われ、終日、多くの人でにぎわった。イベント終盤は、JR中央線国立駅までの大学通りを参加車両によるパレードが行われ、沿道を歩く人たちも立ち止まって手を振っていた。
戦前から昭和のクラシックカーが神社に集結…谷保天満宮旧車祭2017開催
《嶽宮 三郎》