プロが教えマス! ボディタイプ別カーオーディオの始め方・楽しみ方 Part.2「ミニバン編」 | CAR CARE PLUS

プロが教えマス! ボディタイプ別カーオーディオの始め方・楽しみ方 Part.2「ミニバン編」

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カロッツェリア・TS-C1730S
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カーオーディオの“始め方”と“楽しみ方”を、ボディタイプ別に解説する特集をお贈りしている。カーオーディオの実践方法は人それぞれではあるけれど、車種ごとの傾向と対策がわかれば、自分なりのやり方を見つけやすいハズ。参考にしていただけたら幸いだ。

さて今回は、“ミニバン”をベース車両とするときの、“始め方”と“楽しみ方”を掘り下げていく。講師役を務めてくれるのは、島根県の実力店、“J CLUB”の大田さんだ。では早速、大田さんにお訊きした話をご紹介していこう。


■純正スピーカーが楕円タイプでも、17cmの通常タイプがお薦め。

最初に、スピーカー交換においての“ミニバン”ならではの注意点があるかどうか、からお訊きした。

大田「どのようなスピーカーを選んでも大丈夫です。音の傾向で、お好みに合うものをチョイスしていただきたいですね。ただし、口径を小さなものにする必要はありません。純正スピーカーが17cmタイプだったら、それと同じくらいの口径のスピーカーを選べばOKです。

ちなみに、純正スピーカーが6×9インチの楕円タイプとなっている車種もあるのですが、この場合でも、17cmタイプを選べばいいと思います。6×9インチタイプのスピーカーは、17cmタイプと比べて振動板の面積が大きいので低音再生に強みを発揮するのですが、おすすめしたいのは真円のスピーカーですね。もちろん、製品によって性能が異なりますから一概には言えませんが、真円タイプのほうが理に叶っていると考えています。

それに、17cmタイプのほうが製品の種類が圧倒的に多いですから、その点もメリットですよね。選ぶ楽しみが大きくなります。取り付け性に関しては、問題ありません。もともとが楕円タイプであっても、難なく装着できますね」

続いては、“デッドニング”についてお訊きした。

大田「“ミニバン”はドアが大きいですから、ガチガチに“デッドニング”を施すと、部材代もかさんでしまいますし、やり過ぎないほうがいいと思います。重くもなりますし。

なお当店では“デッドニング”をする際、“弱いところを改善していく”という考え方で行っていきます。そのほうが、全体に対して均一に制振材を貼るよりも効果が大きいと考えているんです。ドアの面積が広いからこそ、この方法が活きてくるようにも思います。

もっとも、使用するスピーカーによってもやり方は異なってきますし、いろいろな考え方がありますけれど」


■サブウーファーのコントロールは、簡単ではない…!?

次には、サブウーファーの導入における、“ミニバン”ならではのコツをお訊きした。

大田「口径に関しては、どんな音が欲しいか、で考えればいいと思います。室内の空気の容量が多いので、それをしっかりと震わせるためには大きめのものが有利、という考え方もあるのですが、当店では音の好みを優先していただいています。タイトな低音がお望みなら、口径は大き過ぎないほうが有利ですし、ローエンドまでしっかりと鳴らし切りたいとお考えなら、大口径タイプをお薦めしていますね。

ただ、設置場所については、“ミニバン”の場合少々ジレンマを感じることもありますね。できるならば、フロントスピーカーとの距離差は少ないほうがいいと思うんです。しかし“ミニバン”は車内が広いですから、ラゲッジスペースに設置すると、フロントスピーカーとの距離差は、他の車種以上に大きくなってしまいます。

でも、ボックスの容量を確保しようと思えば大型化しますから、そうなるとラゲッジスペースに搭載するしかない…。なので敢えて小口径モデルを選んでボックスを小型化し、それをセンターコンソールに取り付ける、というようなやり方もアリだと思います。

とはいえスタンダードなのは、ボックスを大きく作ってラゲッジスペースに積み、あとはチューニングでシビアに追い込む、というアプローチになりますね。それで大きな問題が出ることはないです。難易度は低くはないですが、十分、コントロールすることは可能ですから」


■“ミニバン”では3ウェイのメリットが特に活きてくる…。

今度は、トゥイーターの取り付け位置の選び方についてお訊きした。

大田「トゥイーターの取り付け場所の選定は、悩み所ですね。どこがベストかは一概には言えません。まず、ミラー裏に取り付ける場合は、ミッドウーファーとタテの位置関係をそろえられることがメリットです。ホームオーディオのスピーカーと似たような状態になりますので、その点ではコントロールがしやすくなります。

一方、Aピラーに付ける場合には、トゥイーターとミッドウーファーの距離差が少なくなります。なので、“タイムアライメント”調整はしやすくなります。このメリットは、案外、大きいですね。

そして“ミニバン”では、トゥイーターをAピラーに取り付ける場合、奥まった場所に設置できるケースが多いです。奥に付けると、ステージの奥行きは出しやすくなります。というわけで総合的に考えると、Aピラーのほうがメリットが大きいようにも思っています。ただ、正解は1つではないですね。いろいろと試されるといいかもしれません」

最後に、2ウェイと3ウェイ、どちらが向いているのかも訊いてみた。

大田「“ミニバン”では2ウェイで、トゥイーターとミッドウーファーの距離が離れてしまいますから、“中ヌケ”が起こりやすい傾向がありますね。プロセッサーでしっかりとコントロールできれば大丈夫なのですが。

それに対して3ウェイでは、“中ヌケ”は起こりにくくなります。ですので、“ミニバン”では他の車種以上に、3ウェイのメリットが活きてきます。

とはいえ3ウェイはそもそも難易度の高い方法論です。予算も多く必要となりますし。なので、必ずしも3ウェイでなければダメだ、と思う必要はないと思います。2ウェイで追い込んで行くのも1つのやり方です。思い思いのやり方で、楽しんでいただきたいと思います」

いかがだったろうか。“ミニバン”には独特の難しさもあるのだが、車内が広いだけに、広大なサウンドステージが得られやすいというメリットもある。今回の話を参考にしていただきながら、ご自分なりのやり方で、“ミニバン”ならではのカーオーディオ生活を、ぜひぜひ満喫していただきたい。

ボディタイプはまだまだいろいろある。ここまで取り上げた“Kカー”、“ミニバン”以外にお乗りの方々は、次回以降の当特集にご期待を♪
《太田祥三》

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