カーオーディオを楽しもうと思ったら、製品選びから楽しみ尽くすべきである。その手助けになればと、当コーナーをお贈りしている。現在のテーマは「ケーブル」だ。今週はその第5回目として、「スピーカーケーブル」をフィーチャーする。早速本題に入りたい。「スピーカーケーブル」選びにおける、気にするべきポイントはなんだろうか。答はずばり、導体と被膜の“材質&構造”、である。ところで「スピーカーケーブル」は基本的に、プラスとマイナスの線が、2本1組となって完成されている。そして、その2本がひねってあるものと、平行に並べられているものとがある。前者はノイズに強く、後者は厚みを押さえられるのでインストールしやすい、といったことが言われたりもするが、音の傾向に関しては個々の製品ごとで変わってくる。2本がひねられているか、平行になっているかについては、大きく気にしなくてもよいのではないだろうか。それ以上に気にするべきは、まずは導体のクオリティだ。音楽信号を伝送中に劣化させたくはないので、伝導効率が良いものを選ぶに越したことはない。スピーカーやパワーアンプのグレードとのバランスも大事なので、背伸びをし過ぎる必要はないのだが、純度の高い素材のほうが安心感は高い。被膜については、車載であることを考慮して、耐久性、耐候性が確保されたものを選びたい。さらには、振動に対しての配慮もされているとベターだ。ただし、あまりに太くなり過ぎると、インストール性は落ちてくる。特に、ミッドウーファーへの配線時は、太過ぎるとドアの内部に引き回せない、というケースも出てくる。ドアへの通り道のクリアランスには限度があるからだ。どうしても、ということになったら、ドアを外してケーブルの通り道を新設する、なんていう荒ワザが取られることもあるのだが、そのケーブルの音に惚れ込んでしまった場合を除いては、ドアに通せるものを選んだほうが無難だろう。あとは、個々の製品による音の特性を鑑みながら選んでいきたい。モノによって、高域がきらびやかなタイプ、低域に力強さが出るタイプ等々、音の傾向違いが少なからずあるのは事実だ。できれば試聴をして選べたらベストだが、インストーラーの経験値によるアドバイスも参考にしながら、納得いくものを選んでいこう。さて、ケーブルについてはここまでとさせていただく。次週からは周辺アイテムを取り上げていく予定だ。乞うご期待。