【プロに聞く】国産車載用ハイエンドスピーカー、『DIATONE・DS-SA1000』の価値とは。 | CAR CARE PLUS

【プロに聞く】国産車載用ハイエンドスピーカー、『DIATONE・DS-SA1000』の価値とは。

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DIATONE・DS-SA1000
  • DIATONE・DS-SA1000
  • 『DIATONE・DS-SA1000』のトゥイーター。
  • 『DIATONE・DS-SA1000』のトゥイーター。
  • 『DIATONE・DS-SA1000』のトゥイーターの振動板。
  • 『DIATONE・DS-SA1000』のミッドウーファー。
  • 『DIATONE・DS-SA1000』のミッドウーファー。
  • 『DIATONE・DS-SA1000』のミッドウーファーの振動板。
昨年の11月にDIATONEから、『DS-SA1000』という車載用ハイエンドスピーカーがリリースされたことをご存知だろうか。税抜価格67万円という、普通に考えればちょっとあり得ない高額スピーカーである。果たして、それほどの高級品であることの価値とは…。

そこのところを探るべく、カーオーディオ・プロショップへの取材を敢行した。お話を伺ったのは、愛知県の老舗有力カーオーディオ専門店“マツデン”のインストーラーである熊谷さん。プロの目から見た『DS-SA1000』のバリューを、じっくりとお聞きした。


■価格的にも性能的にも、車載用ハイエンドスピーカーの中でトップレベル。

最初に、ハイエンドカーオーディオの世界において、この『DS-SA1000』というスピーカーがどのような位置付けなのかをお聞きした。

熊谷「国産車載用ハイエンドスピーカーとしては、もっとも高額な製品です。海外ブランドの車載用ハイエンドスピーカーの中に入れても、トップレベルの価格帯に位置しています。ただ、海外製品の中には、100万円を越えるような特別なモデルもあるのですが、それらを除いた通常のハイエンド製品と、肩を並べています。

『DS-SA1000』はその中にあって、性能的にもトップレベルの実力を有していると思います。『DS-SA1000』よりも少々高めの海外ブランド製品と比べても遜色はないですし、リアリティに関しては『DS-SA1000』のほうが勝っている場合もあります」

『DS-SA1000』の良いところを、さらに詳しく教えていただいた。

熊谷「まずは、高域の解像度が圧倒的に高いです。高音の再生を担当するトゥイーターの振動板素材に、“B4Cプレミアムボロン”が使われているのですが、これによる恩恵でしょうね。

振動板素材には、硬さと軽さ、そして固有音が少ないことが求められるのですが、この“B4Cプレミアムボロン”は、その相反する性質をすべて高次元で備えているんです。ただしボロンは加工が難しい素材であるので、当機の前型機である『DS-SA1』で採用された“B4Cピュアボロン”振動板がリリースされる以前は、車載用スピーカーの振動板として採用されることはありませんでした。しかしDIATONEは、ホーム用スピーカーで培った独自の技術によりそれを車載用でも製品化しました。ボロンはDIATONEでしか作れない唯一無二の振動板なんです」


■空間表現力にも強みを発揮。音と音の間の静寂さもしっかり再現。

中低音を担当するミッドウーファーについてはどのような印象をお持ちなのだろうか。

熊谷「ミッドウーファーの振動板素材は、DIATONEが独自開発した“NCV-R”というカップ積層型カーボンナノチューブで出来ているのですが、これにより、高解像度で、質の良い中低音が再生できています。

『DS-SA1000』は『DS-SA1』と比べて、ミッドウーファーに関しては特に、別物というほどの進化を遂げています。『DS-SA1』も高性能なスピーカーでしたが、ドアに取り付けたときのコントロールが難しかった。しかし『DS-SA1000』では、車載用にもろもろが最適化されています。振動板素材が変わったことが大きく影響していることは確かでしょうね。

もっとも、高級機になればなるほど、高い取り付け技術が必要となります。車載用スピーカーはドアに取り付けて初めて完成品となるわけですが、製品の性能を引き出せるかどうかは、取り付け技術にかかってくるんです。『DS-SA1000』についても、性能を引き出せるかどうかは取り付け店次第ですが、素直なスピーカーですから、必要な工程をセオリーどおりに丁寧に行えば、大丈夫なのではないでしょうか。

また『DS-SA1000』は、空間表現力の高さにも特長があると感じています。小さな音量の楽器の音も埋もらせることなく再現した上で、音と音の間の静寂感までも正確に表現できるんですよ。専門的な説明をさせていただくと、“S/N感”が高いスピーカーです。“S/N感”とは、信号に対するノイズの少なさを表すスペックなのですが、『DS-SA1000』はその部分が優秀であることも特長としています」


■愛好家に広くすすめることができる、正統的Hi-Fiスピーカー。

さて、『DS-SA1000』は、どのような人におすすめなスピーカーなのだろうか。

熊谷「ここまでの高額製品ですから、この製品の良さを理解できる方におすすめしたいですよね。ただ、ある程度カーオーディオの経験がある方ならば、当機の良さをすんなりとご理解いただけると思います。そのような方ならむしろ当機を、コストパフォーマンスの高いスピーカーだと感じられるのではないでしょうか。

正統派なHi-Fiサウンドを聴かせてくれるスピーカーだと思います。変なクセもありません。ですので、カーオーディオ愛好家の方々に広くおすすめしたいですね。

さすがは日本製だと思わせる安心感もあります。作りをみても高精度であることを感じ取れますし、デザインや質感にも高級感があって、手にして、そして取り付けての見た目的な満足度も高いです。完成度の高さが光っています。

多くの方々にお聴きいただきたいですね。最先端の車載用ハイエンドスピーカーの音がどのような音なのか、体験する価値は大きいと思うんです。当店では店頭のデモボードにセットしていますので、いつでもお聴きいただけます。お近くでしたら、ぜひともお気軽にお越しください」

確かに、超高級スピーカーのサウンドがどのようなものなのか、体で感じておくことは無意味でないと思う。このような世界があることを、知っておいて損はない。人生の経験として貴重なものとなるはずだ。愛知県および近県にお住まいの方は、“マツデン”までお問い合わせを。また、DIATONEのホームページを見れば、この音を聴くことができるお近くカーオーディオ・プロショップを探すことも可能だ。要チェック。
《太田祥三》

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