【プロショップ直伝!】フロントスピーカー攻略法! Part.6「トゥイーターの角度はどうする?」 | CAR CARE PLUS

【プロショップ直伝!】フロントスピーカー攻略法! Part.6「トゥイーターの角度はどうする?」

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トゥイーターの取り付け例。製作:アミューズ(広島県)。
  • トゥイーターの取り付け例。製作:アミューズ(広島県)。
スピーカー交換における、選び方、取り付け方、コントロールの仕方について、カーオーディオ・プロショップ直伝のセオリーをご紹介している当連載。その第6回目となる今回は、トゥイーターの角度についての考察を展開していく。

今回、講師役をお願いしたのは、広島県の実力ショップ、“アミューズ”の岡本さん。では早速、岡本さんにお訊きしたトゥイーターの角度論を、じっくりとご紹介していこう。


■“DSP”を搭載しているか否かで、アプローチが異なる。

岡本「詳細なサウンドチューニングを行えるか否かで、アプローチが変わってきます。“デジタル・シグナル・プロセッサー(DSP)”がシステムに組み込まれている場合は、それありきのやり方になり、簡易的なコントロール機能しか持たない場合は、その前提でトゥイーターの角度を決めていくことになります。

“DSP”を搭載していない場合、当店では、左右のトゥイーターをそれぞれ、運転席と助手席の間に向けることが多いですね。そうすると、運転席と助手席で条件がほぼ同一になりますから、どちらの席にとってもベターなサウンドを作りやすいんです。

そうではなくて、もしもトゥイーターを運転席に正対させたなら、近いほうのトゥイーターの音がきつく感じることになってしまいます。しかしトゥイーターをセンターに向けると、近いほうのトゥイーターの音エネルギーを減衰させることができるんです。物理的なサウンドチューニングが行える、というわけなのです」


■リスナーに正対させるのを基本として、そこから微調整を加えていくと良い。

岡本「それに対して、“DSP”を搭載している場合なら、サウンドチューニング機能を使って後からもろもろを整えていくことが可能となります。ですので当店では、トゥイーターを運転席に正対させることを基本として、そこから微調整を加えていく、というアプローチを取るようにしています。

正対させると、トゥイーターから発せられる情報をロスなく得ることができます。まずは音情報をすべて得て、その上で、バランス、タイミング等を“DSP”で緻密に整えていく、という手法を取るのです。

ただし、“DSP”ですべてを整えることはできません。なので角度自体も、後から微調整する必要があります。微調整のしかたは、トゥイーターを取り付ける場所によって、さらにはトゥイーターのタイプによって異なります。

考慮すべきは、“反射の影響”です。フロントガラスやドアの窓ガラス、そしてダッシュボード、これらに対する“反射の影響”を減らしていきたいんです。

本来ならば、直接音だけを聴ける状況が理想なのですが、クルマの中ではそうもいきませんよね。反射音も聴くことになるのは避けられません。そしてこの反射音はやっかいな存在となってきます。いろいろと悪さをしがちなんです。直接音とタイミングがずれて音をダブらせたり、周波数特性のピークを出させたり、反射する場所の素材の響きを付加させたり…。

もしも、トゥイーターを運転席に正対させることで“反射の影響”が多く出てしまったならば、それが少なくなるように、角度を微調整するようにしています」


■音を真っ直ぐに放つタイプと、広角に放つタイプとで、やり方が異なる。

岡本「ちなみに、運転席と助手席の間に向けた場合には、“反射の影響”が少ないというメリットも得られるんですよね。取り付け場所で条件は変わってきますが、フロントウインドウとドアの窓ガラス、どちらに対しても、反射から逃げることが可能になります。

ところで先ほど、トゥイーターのタイプによっても、微調整のしかたが変わってくるといいましたので、そにれついてもご説明しておきたいと思います。

高音はそもそも指向性が強いのですが、トゥイーターによって少々状況が異なってきます。真っ直ぐに音を放つタイプと、広角に音を放つタイプとがあるんです。真っ直ぐに音を放つタイプだと、軸を少しずらしただけで、聴こえ方が変わってきます。しかし広角に音を放つタイプでは、多少軸をずらしても、聴こえ方の変化量は比較的に少ない。また、反射の影響のしかたも、トゥイーターのタイプによって変わってきます。

これらを考慮しながら、正対させるのを基本としながら、“反射の影響”と、“情報量の減衰”がバランスする角度を探っていくようにしています。

ちなみに、トゥイーターをミラー裏に取り付けた場合は、ドアの窓ガラスへの反射が大きくなるので、その点においては、サウンドをコントロールするのが難しくなります。より良い角度を見つけるのが困難な取り付け場所だと言えますね。しかしながら、左右の幅を取りたいと考えたときには、ミラー裏はベストな場所です。コントロールは難しいのですが、上手くいったときの見返りも大きい、というのがミラー裏なんです」


■初めて市販スピーカーに換える場合、トゥイーターをダッシュボード上に置くのも面白い。

岡本「トゥイーターの角度の決め方には、さまざまな考え方がありますし、ショップごとでも考え方、アプローチのしかたが異なっています。

ただ、カーオーディオの音の善し悪しは、トゥイーターの角度だけで決まるものでもありません。ですので、どんな角度がベストなのかは、一概には言えませんよね。

そう考えたとき、トゥイーターが発する情報をロスなく得た上で、その後に、引き算の調整を加えていくというアプローチが、もっとも理に叶っているのではないか、と、私は考えています。足りないものを後から補っていくのは難しいものです。出過ぎたものを削っていくというアプローチのほうが、スムーズです。

なお、初めて市販スピーカーに交換されるようなとき、トゥイーターをピラーやミラー裏に埋め込まず、敢えて、ダッシュボードの上に“ポンと置く”という取り付け方をしてみるのも面白いと思います。工賃も抑えられますし。

そして取り付けたあとに、角度を変えて音がどのように変化するのか、いろいろと実験してみると楽しいと思います。

創意工夫を発揮させて音を良くしていくことにも、カーオーディオの楽しさがあります。トゥイーターの角度をあれこれと変えてみることでも、その楽しさが味わえると思うんです。費用をかけずに音の変化を楽しめますから」

いかがだったろうか。岡本さんにお訊きした話は以上だ。トゥイーターの角度決めはなかなかに難しい、というのが結論ではあるのだが、だからこそ、ベストを突き詰めていくべき部分であるとも言えそうだ。ここにも、カーオーディオの奥深さが宿っている、というわけなのだ。

さて次回もさらに、「フロントスピーカーの攻略法」について深掘りしていく。お楽しみに。
《太田祥三》

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