カーオーディオで“ハイレゾ音源”を楽しむための「最新事情」 Part.4 「良い音で聴く方法」 | CAR CARE PLUS

カーオーディオで“ハイレゾ音源”を楽しむための「最新事情」 Part.4 「良い音で聴く方法」

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クラリオン・フルデジタルサウンドの搭載例。制作:ガレージA(群馬県)。
  • クラリオン・フルデジタルサウンドの搭載例。制作:ガレージA(群馬県)。
徐々に浸透しつつある“ハイレゾ音源”を、車内で楽しむ方法について考察している当短期集中連載も、いよいよ今回で最終回だ。当回では、“CDよりも音が良い”というメリットを十二分に引き出すべく、「良い音で聴く方法」を、じっくりと解説していく。

そのために、心強い助っ人にご協力いただいた。群馬県の実力カーオーディオ・プロショップ、“ガレージA”の代表を務める高橋さんに教えを仰ぎ、“ハイレゾ音源”を高音質で楽しむための方法を、詳細にご教示いただいた。


■高性能な“DAC”を使う、という作戦とは…。

前回、“お手軽”に楽しむ方法として、“デジタル・オーディオ・プレーヤー”(以下、DAP)のヘッドフォン端子と、カーオーディオメインユニットのAUX端子をピンケーブルで繋ぐ方法をご紹介したのだが、今回は、そこからの発展形をご紹介していこうと思う。

高橋「そこから発展させようとしたとき、次に考えられるのは、高性能なデジタル/アナログコンパーター(DAC)を用いる、という作戦になりますね。

デジタルの音楽信号をより高音質で楽しもうとする場合、その音の善し悪しは、DACの性能に大きく影響を受けるんです。

で、DAPのヘッドフォン端子から音声を取り込む際には、その音声はDAP内部のDACでアナログ変換されたものであるわけですが、それよりももっと高性能なDACを使って、“ハイレゾ音源”をアナログ変換しようとするです。

DAPに搭載されているDACも、品質が悪いものは使われていません。その部分の手を抜いたら、“ハイレゾ音源”のプレーヤーとして残念な結果を招いてしまいますからね。とはいいつつも、コストをかけるにも限度があるわけで…。

それに対して、オーディオテクニカからリリースされている『AT-HRD5』(税抜価格:7万円)を用いて、そのDACでアナログ変換を行うと、多くの場合、音質はワンランク上昇するはずです。

このとき、DAPからデジタルで信号をアウトするためのケーブルも必要になります。それを使ってデジタルのまま“ハイレゾ音源”を出力し、『AT-HRD5』の高性能なDACでアナログ変換してからAUXに音楽信号を取り入れれば、“ハイレゾ音源”の良さは、さらに活きてくるはずです」


■“ハイレゾ音源”を、“ハイレゾ・クオリティ”のままコントロールするシステム、とは…。

続いては、それよりもさらに上手の方法があるのかをお聞きした。

高橋「この方法よりもワンランク上のやり方が存在しています。実際のところはワンランクどころではなく、一気にハイエンドシステムへと発展させる、というアプローチとなります。

それは、“ハイレゾ音源”をデジタル信号のままDSP(デジタル・シグナル・プロセッサー)に取り込み、音楽信号を“ハイレゾ・クオリティ”のままコントロールする、という方法です。

これを行うためには、音楽信号を“ハイレゾ・クオリティ”のまま扱えるDSPのほかに、パワーアンプも必要になります。さらに言うなら、“マルチアンプシステム”を構築すべく、スピーカーユニットと同じ数のパワーアンプのch数が必要となります。

また、このようなシステムを組むのなら、スピーカーについてもできるだけ上質なものを使いたいですね。パワーアンプについても同様です。少なくとも、ミドルグレード以上のユニットを選びたいところです。

このようなシステムを構築できたなら、それまでの方法とは比べものにならない、ハイグレードなサウンドを楽しむことが可能となりますよ」


■よりリーズナブルに、しかし上質に“ハイレゾ音源”を楽しもうとするならば…。

さて、最上を極めようとするときにはこの方法以外に手はないのだが、少々ハードルが高いのも事実だ。もう少し現実的な方法はがないものかお訊きした。

高橋「これよりも効率的な方法も存在しています。それは、クラリオンの『フルデジタルサウンド』を活用する、という作戦です。

クラリオンの『フルデジタルサウンド』では、DAPからのデジタル信号をコアキシャルケーブルや、光ケーブルに変換せずに、USBケーブルで直結することが可能なんですね。そうであるがゆえに、デジタル/デジタルコンパーターを必要としないので、この時点で1つ、システムを合理化できます。

そして『フルデジタルサウンド』では、デジタル信号のままスピーカーを駆動させることになりますので、通常のスピーカーを組み込むことができません。なので、システムの総額が青天井で高額化することがありえません。

さらには同システムでは、パワーアンプが必要ないんですよ。結果、その分のコストもかかりません。

それでいて、ハイエンドシステムと同じように、“ハイレゾ音源”を“ハイレゾ・クオリティ”のままコントロールすることが可能なんです。“ハイレゾ音源”を高音質に、しかしコストパフォーマンス高く楽しもうと思ったら、『フルデジタルサウンド』はおすすめですね」

高橋さんからお訊きした話は以上だ。これからカーオーディオを始めようと思っている方には、少々難しい話になってしまったかもしれないが、せっかくの“ハイレゾ音源”であるので、もしもその利点をできるぎり余すことなく得たいと思うのなら、以上の話を大いにご参考にしていいただきたい。

時代は今後、さらに“ハイレゾ”へと進んで行くはずだ。音楽がお好きならば、このクオリティをぜひともご体験いただきたいと思う。そして、カーオーディオでもこの良さを、思い思いのスタイルで十二分に満喫してほしい。そうすれば、ドライブは今よりさらに、楽しくなる。

※このハイレゾ特集は『カーオーディオ』に関する事であって、カーオーディオ以外のオーディオとは異なる場合がありますのでご了承ください。
《太田祥三》

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