カーオーディオの製品選びにおける勘どころを、多角的に解説している当コーナー。先週からは、本格システムを組もうとするときのキーユニット、「パワーアンプ」についての解説に突入している。第2週目となる今回は、「ch数」についての考察をお届けしていく。さて、本題に入る前に1点、触れておきたいことがある。それは、「グレードの見分け方」についてだ。通常、カーオーディオのユニット選びをするときには、まずはグレードについて考えることとなる。予算と照らし合わせ、どのグレードに的を絞るべきか、から考え始めることになるのだ。しかしながら「パワーアンプ」選びにおいては、少々勝手が異なる。というのも、「パワーアンプ」には、“ch数違い”があるからだ。例えば、4万円の4chアンプと、3万円の2chアンプがあったとする。前者のほうが高額製品ではあるのだが、1chあたりの価格を比べると、前者が1chあたり1万円であるのに対し、後者は1chあたり1万5000円となっている。つまり1chあたりの価格でいえば、後者のほうが高額製品なのである。製品によって特長が異なるので一概には言えないが、1chあたりの価格が高いモデルのほうが、高性能である場合が多い。というわけで、製品のグレード比較をする際には、「1chあたりの価格」で比較すべきなのである。「パワーアンプ」選びをする際には、このことをまずは念頭に置いておこう。その上で、次に考えるべきこととは…。それは、「自分にとって今、何chが必要か」、である。とりあえず、フロントスピーカーを付属の“パッシブクロスオーバーネットワーク”を使って鳴らそうとするのなら、2chあればOKだ。しかし、近い将来サブウーファーを導入したいと思っているのなら、4chアンプを買っておく、という選択肢も浮上する。また、フロント2ウェイスピーカーを“マルチアンプ駆動”させたいと思うなら、同じく4chアンプを買っておいてもいい。逆に、今後システムアップをするにしても今は敢えて2chアンプをチョイスしておく、という手もある。この場合は、今必要なものに使える予算を注ぎ込んでおき、増設が必要になったときには、そのときに改めて予算を注入する、というアプローチとなる。さらに、システムアップの可能性を考える際には、インストールスペースについても考慮しておく必要がある。2chアンプを2台導入するとなれば、スペースは倍必要となるわけだ。使えるスペースがどのくらいなのかも、考えて置かねばならないのだ。というわけで、「今、何chが必要か」、「近い将来にシステムアップをしたいか否か」、「どのようにインストールするか」、これらを総合的に考えながら、まずは、「何chアンプにするべきか」を見極めたい。今週はここまでとさせていただく。次週はさらに選び方について踏み込んでいく。乞うご期待。