カーオーディオ製品の選び方のコツを解説している。現在は、「メインユニット」について考えていて、ここまで、「1DINメインユニット」、「2DINメインユニット」に関しての現状分析を行ってきた。今回はそれに引き続き、「AV一体型ナビ」のトレンドを分析していく。市販の「AV一体型ナビ」のオーディオ性能は、年々向上を見せている。特に各社のフラッグシップモデルについては、上級な音響パーツが使われて素の音質性能が磨き込まれ、さらには、簡易的ながらも“タイムアライメント機能”を積んでいる製品も増えていて、オーディオメインユニットとしてなかなかに実力を備えたモデルが揃ってきた。そのような製品ならば、“バイアンプ対応”のパッシブクロスオーバーネットワークが付属しているスピーカーと組み合わせて、フロント2ウェイをある程度詳細にコントロールすることも可能となる。ただし、イコライザーについては“13バンドタイプ”である場合がほとんどだ。このスペックであると、ハイエンド・メインユニットとは実力差が出てくる。そこのところは割り切って使うしかないだろう。なお、カーオーディオメインユニットとして全体のレベルが上がってきている中、特に注目すべきモデルが3機種あるのでご紹介しておこう。1つは、ケンウッドの『彩速ナビ』のフラッグシップシリーズ。当機は唯一の、フルスペックで“ハイレゾ音源”が楽しめる「AV一体型ナビ」であり、さらには、より詳細なコントロールが可能な“パラメトリックイコライザー”を搭載していて、なかなかに本格派な1台となっている。“ハイレゾ”に興味があるならば、当機をチェックして損はない。そして2つ目が、カロッツェリアの『サイバーナビ』だ。2016年モデルからは“ネットワークモード”が搭載され、フロント2ウェイ+サブウーファーのシステムを、詳細にコントロールすることが可能になった。また、タイムアライメントとイコライザーを“オート”で調整することも可能で、これを活用すればサウンドチューニングのベース調整を簡単に完了することができる。当機も、オーディオメインユニットとしての実力の高い「AV一体型ナビ」だと言っていい。そしてもう1つが、『ダイヤトーン サウンドナビ』。当シリーズはスタンダードモデルとプレミアムモデルの2機種で構成されているのだが、プレミアムモデルに関しては、完全なるハイエンド・メインユニットに仕上がっている。「AV一体型ナビ」を核として本格ハイエンドカーオーディオを楽しもうと思ったら、選択肢は当機しかない。また、スピーカーが純正のままであっても、そのシステムを本格派に変えることも、当シリーズならば可能だ。音にこだわるなら、『ダイヤトーン サウンドナビ』に注目する価値は高い。今週は以上だ。次週はスペシャリティの高い孤高のメインユニット、ビーウィズの『MM-1D』をフィーチャーする。お楽しみに。