カーオーディオユニットの選び方のキモを公開している当コーナー。先週からは、「メインユニット」をテーマにお贈りしている。前回のタイプ解説に続き今回からは、タイプごとのトレンドを考察していこうと思う。まず今週は、「1DINメインユニット」を取り上げる。かつては、メインユニットといえば、1DINのCDプレーヤー/チューナータイプが主流だったが、今はそうではなくなった。最大の理由は言うまでもなく、ナビを導入するユーザーが多くなったからだ。AV一体型のナビが、オーディオメインユニットとしてのスタンダードとなったからである。とはいいつつも、ナビは要らない、という人にとっては、1DINもしくは2DINメインユニットは必需品だ。であるので現在も、各社からバラエティ豊かに製品がリリースされ続けている。ただし、ハイエンドモデルと呼べる製品となると選択肢は非常に少ない。カロッツェリアの『DEH-P01』(税抜価格:10万円)と、 『DEH-970』(税抜価格:3万5000円)があるくらいだ。ところでこの2機種は、相当にお買い得だ。ソースユニット、デジタル・シグナル・プロセッサー(DSP)、パワーアンプがセットになってこの価格なのだ。特に、『DEH-970』のリーズナブルさは驚異的と言っていい。この価格で本格システムに対応可能なプロセッサーはなかなかない。対して、スタンダードな1DINメインユニットは、どのような機能になっているのかを、クラリオンの『CZ215』を例にみていこう。まずは、USB端子とAUX端子が備えられていることに注目したい。USB端子があればUSBに収めた音楽が聴けるし、iPodの音楽も聴ける。AUX端子ではピンケーブルを用意すれば、デジタル・オーディオ・プレーヤーやスマホのヘッドフォン端子とを繋ぐことができる。お使いのオーディオメインユニットにこれらが備わっていないというならば、そのためだけに最新のオーディオメインユニットに買い替えるというのもアリだ。車内エンターテインメントが一気に充実する。調整機能もチェックしてみよう。当機の場合はグラフィックイコライザーが7バンドタイプとなっている。当機はそれとは別に、7バンドパラメトリックイコライザーによる「車両タイプ別チューニング」もプリセットされている。これを活用すれば、車種タイプごとでの音響特性の乱れを補正することも可能となる。なお、システム発展性は以下のとおりだ。RCA出力が4chあるので、それを外部DSP、およびパワーアンプに接続することも可能だ。さらにはリアchはサブウーファー出力として使用することもできる。サブウーファーの追加を視野に入れる場合は、サブウーファー出力の有無はチェックしておきたいところだ。それが備わっているほうが、サブウーファーのコントロールがしやすくなる。こんなところが最新1DINメインユニットのトレンドだ。各機で対応ファイル形式が少々異なっているので、そのあたりと、調整機能の充実度を比べれば、自分にとってのベスト機が見えてくるだろう。さて次週は、2DINメインユニットの最新トレンドを解説する。お楽しみに。