2016年、もっとも話題を集めた新機軸カーオーディオ・システム、Clarion『Full Digital Sound』。今改めて、その凄さの神髄に迫る! | CAR CARE PLUS

2016年、もっとも話題を集めた新機軸カーオーディオ・システム、Clarion『Full Digital Sound』。今改めて、その凄さの神髄に迫る!

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クラリオン(株)技術開発本部ソフトウェア開発部音響開発グループの、左から、武藤慧さん、上原正吉さん、森田英之さん。
  • クラリオン(株)技術開発本部ソフトウェア開発部音響開発グループの、左から、武藤慧さん、上原正吉さん、森田英之さん。
  • クラリオン(株)技術開発本部ソフトウェア開発部音響開発グループGLマネージャー 上原正吉さん。
  • クラリオン(株)技術開発本部ソフトウェア開発部音響開発グループ 森田英之さん。
  • クラリオン(株)技術開発本部ソフトウェア開発部音響開発グループ 武藤慧さん。
  • Clarion『Full Digital Sound』。
今年、もっとも話題を呼んだカーオーディオ・システムは何かと問われれば、多くの方が躊躇なく、Clarion『Full Digital Sound』と答えるだろう。さて、革新的な新技術で具現化された当システム。発売開始から約8か月、開発陣は今、何を思っているのだろうか…。

そこのところをお聞きしながら、改めて、Clarion『Full Digital Sound』の凄さの神髄に迫ってみたいと考えて、12月某日、埼玉県さいたま市のクラリオン株式会社を訪ねた。

今回、取材にご対応いただいたのは、技術開発本部 ソフトウェア開発部 音響開発グループ GLマネージャーの上原正吉さん、同グループの森田英之さん、武藤慧さん、以上のお三方から、今感じている手応え、今だから語れる開発秘話、そして今後の展開等々について、じっくりとお聞きしてきた。


■「フロント2ウェイで完結」が多いと想定していたが、結果は…。

まず最初に不躾ながら、『Full Digital Sound』は商業的な成功を収められたのか否か…、そこのところからズバリとお聞きした。

上原「おかげさまで売り上げは好調です。発売開始以来、コンスタントに出荷できているんですよ。成功と言っていい水準にあると考えています。社内的にも一定の評価が得られていますし。『Full Digital Sound・Z3/Z7/Z25W』の発売後に、世界初のフローティング・フラットドライバーを搭載したヘッドホン『Full Digital Sound・ZH700FF』を発売することができましたが、もしも『Z3/Z7/Z25W』が失敗していたら、ヘッドホンの発売も中止になっていたと思います(笑)」

反響として、想定外だったことなどはあったのだろうか。

上原「フルデジタルサブウーファー『Z25W』も併せて買っていただけるケースが多かったことは、嬉しい誤算でした。フロント2ウェイで完結される方が多いと想定していたんですよ。『Z25W』は、フルデジタルサウンドプロセッサー(サウンドプロセッサー/ツィーター/コマンダー)『Z3』、フルデジタルスピーカー『Z7』を買われる2割くらいの方に買ってもらえたら、と思っていたんです。

プロショップの方々の努力のおかげだと思っています。多くの販売店様にデモカーを作っていただけて、そこでの『Z25W』の搭載率が高かった。その音作りに、多くのお客様が賛同されたのでしょうね。有り難いです」


■不安材料はいくつか存在していた。しかし、いざふたを開けてみると…。

ところで、発売前に懸念していたことなどはあったのだろうか。今だからこそ言える、発売前の不安材料等についてお聞きした。

上原「最大の懸念は、『Full Digital Sound』の認知度の低さでした。2012年に第一弾を発売しているものの、テストマーケティング程度の数しか出ていませんでしたから。実質、『Z3/Z7/Z25W』が第一弾のような形となって、この新しい製品を、どうやって浸透させていけばよいかと…。

しかし、いざふたを開けてみれば、注目度は想像以上に高かった。そして、音が良い、という反応をいただくことができました。“この価格でこの音が出るのならお得だ”という声が、いろんなところから聞こえてきたんです。ほっとしましたね」

武藤「我々としてはできる限り抑えた価格設定としたつもりではあったのですが、これでもまだ高いのでは、という心配は、正直ありましたね。でもショップに伺ってお話をお聞きすると、むしろ、フルセットでこの価格は安いと言っていただけています」

そしてもう1つ、『9255シリーズ』というハイエンド製品の販売が終了して以降、プロショップの方々とのお付き合いがなくなっていたことも、大きな不安材料でしたね。ただこの点に関しては、『イース・コーポレーション』さんに販売・流通を担っていただいたことで、不安が取り払われました。全面的にご協力いただけたことを、心から感謝しています」


■『Full Digital Sound』の「イコライザー」には、最新の機能が搭載されている。

結果、好調なスタートを切り、コンスタントなセールスを記録している『Full Digital Sound』。支持されたポイントはどこだったのだろうか。

武藤「価格に見合うポテンシャルがある、という評価がいただけたことが、支持された最大のポイントだったと思います。また、アプリでチューニングが行える、その操作性と調整幅の広さも、ご支持いただけたポイントの1つだったと思っています。

クロスオーバーもタイムアライメントも細かく設定可能ですし、イコライザーについては特殊な機能も持たせてあります。表側では31バンドなのですが、その裏では2000タップという細かい刻みでイコライザーカーブを描けるようになっているんですよ。これにより、隣りのバンドとの繋ぎ目をなだらかにすることができています。イメージしたとおりの特性が出しやすいんです。

例えば、隣り合ったバンドを両方とも6dB持ち上げたとします。この場合普通なら実際は、6dB持ち上がる山が、ふた山できてしまうんですね。しかし『Full Digital Sound』ではバンド間が滑らかにつながりますから、2バンドにまたがる1つの滑らかな山ができる、というわけなんです」

『Full Digital Sound』を使っていない人の多くは、イコライザーのこの特長をご存知なかったのではないだろうか。『Full Digital Sound』のコントロール機能には、高いスペックが備わっているのだ。


■最優先事項は“音”。そこを担保しながら、小型化、薄型化にも取り組む。

次には、開発において苦労したこと、こだわったことなども、今のタイミングで改めてお聞きしてみた。

上原「『Z3』のプロセッサー本体をあの大きさで仕上げることには、実は相当に苦労しました。本当はもっと大きなものにしたかったのですが、“センターコンソールに収まる大きさ”、という命題があったんです。基板を2層構造にして、2層の間の空間もできるだけ狭めたり、もろもろを切り詰め工夫して、やっとの思いであの大きさに収めました。基板を重ねたり立てたりすると、歪んだり壊れやすくなってしまいますから、振動対策も必要となりますし、難しいトライになりました。

何より、音を良くすることが最優先でしたから。小さく収めることで音への影響が出てしまっては元も子もないですから」

武藤「『Z7』のワイドレンジ化も、苦労した点の1つです。サブウーファーが使われることは少ない、という想定もありましたから、『Z7』でできるだけ良質な低音を再生したかったんです。ユニットの薄型化も図りながら、下まで伸びる仕様になるようカットアンドトライを重ねました。結果、『Z25W』ともども、低域再生にも自信の持てる製品にすることができました」

上原「そして最後、押せ押せになったのはソフトウェアの開発です。ある程度ハードが出来上がらないとスタートできない部門ですから。彼らには苦労をかけてしまいましたね。ただし、優秀な人材を確保できていたので、その点では心強かったのですが。ここにいる森田は、DSP回りの、社内のトップクラスの設計者なんですよ」

森田「最初の仕様書が、結構、ハードルの高い設定になっていましたので、難しい仕事でした。やっているうちに、改善したいこと、工夫したい点、そして不具合も出てきて、それらを1つ1つ潰していくのは簡単ではありませんでした。

でも最後には、求められたことをクリアできたと思っています。妥協のないものに仕上げられています」

上原「弊社には、“最初に設定したものに向かって突き進む”、という社風があるんです。最後味付けの部分で微調整は行いますが、必ずや初めに決めたとおりのものを作ろうと。それができないと、大騒ぎになってしまうんです(笑)」


■「まだ始まったばかり。じっくりと育てていきたい…」

最後に、『Full Digital Sound』の今後についてもお聞きした。

武藤「当初から、中・長期的な予定も立てていますし、具体的な次の展開に向けても、準備を進めているところです。今使っていただいている方に喜んでいただけるものを、そして『Full Digital Sound』にもっとご興味を持っていただけるものを、近い将来、リリースできたらと考えています」

森田「『Full Digital Sound』に大きな期待を寄せているとプロショップの方々に言っていただけています。モチベーションは、発売以前よりも今のほうが高いですね」

上原「期待してくださっている方々が多く、本当に有り難く思っています。今後の展開についてのご要望もたくさん寄せられていますので、それらを受け止められるようなものを出していきたいですね。『Full Digital Sound』はまだまだ始まったばかりです。じっくりと育てていきたいですね」


今も、着々とユーザーを増やし続けているClarion『Full Digital Sound』。情熱を持ったスタッフによって、丁寧に作られた製品であることを再確認することができた。そして、今後についてもポジティブな話が聞けて新展開にも期待が膨らむ…。

カーオーディオ業界を刺激し活性化したClarion『Full Digital Sound』。カーオーディオ愛好家を増やすことにも大いに貢献してくれている。攻勢はまだまだ続きそうだ。2017年も、台風の目となって、カーオーディオ市場を盛り上げてくれるに違いない。

もしもまだ、この革新のサウンドを耳にしたことがないというのなら、下記のサイトから、デモカーが聴けるお近くのショップや、近場で開催される試聴会イベントをチェックの上、音を体験しに足をお運びいただきたい。未来のカーオーディオのサウンド・クオリティを、ぜひともご確認のほどを。

【Full Digital Sound Special Contents】
http://www.clarion.com/jp/ja/special-co
《太田祥三》

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