【プロショップ直伝!】フロントスピーカー攻略法! Part.5「トゥイーターはどこに付ける?」 | CAR CARE PLUS

【プロショップ直伝!】フロントスピーカー攻略法! Part.5「トゥイーターはどこに付ける?」

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トゥイーターの取り付け例。製作:トゥビースタイル(群馬県)。
  • トゥイーターの取り付け例。製作:トゥビースタイル(群馬県)。
クルマの中で、良い音で音楽を楽しもうと思ったら、フロントスピーカーを市販モデルに交換すべきだ。その、選び方、取り付け方、コントロールの仕方について、1つ1つ解説している当特集。その第5回目となる今回は、「トゥイーターの取り付け場所」について考察していく。

今回、講師役をお願いしたのは、群馬県の実力ショップ、“トゥビースタイル”の松下さん。では早速、松下さんにお訊きした話をご紹介していこう。


■見た目を変えたくなければ、“純正位置”がベストだが…。

フロントスピーカーを市販品に交換する際、ミッドウーファーについては取り付け場所の選択肢はほぼ1つ。純正位置に取り付けるのが常套手段だ。しかし、トゥイーターについては選択肢がいくつか存在している。それぞれのメリット、デメリットを松下さんにお訊きした。

1つ目の選択肢となるのは、“純正位置”だ。最初に、ここに取り付けることの利点、不利点から考えていく。

松下「最近は、純正スピーカーがセパレートタイプとなっているケースが増えてきました。その場合トゥイーターは、ダッシュボードの内側に取り付けられていることが多いのですが、市販スピーカーに交換する場合にも、そこに取り付けたいと考える方は少なくないですよね。

エントリースピーカーの多くは、それを想定して、トゥイーターが純正位置に収まるような大きさで作られていることが多く、しかも、取り付け用のブラケットが同梱されているモデルもあります。そのようなモデルであれば、比較的に簡単に純正位置に取り付けることが可能です。さらには、見た目も変わりませんから、純正のインテリアの雰囲気を変えたくない、という方には、特にぴったりな取り付け場所となると思います。

ただし、サウンドをコントロールするのは簡単ではないですね。“高さ”や“角度”を変えることができませんし、トゥイーターから発せられた音がフロントガラスに向かって放たれますので、リスナーに届く音の多くは反射音になってしまいます。反射音は、直接音よりも制御するのが難しいんですよ。

また、直射日光があたることもデメリットと言えます。グリルが付いているのでカバーはされているのですが、それでもフロントガラス越しに直射日光にさらされてしまいます。これによって直ちに壊れることは有り得ませんし、それほど気にする必要もないのですが、耐久性に少なからず影響があるのも事実だと思います」


■意外に利点の多い、“ダッシュボードの上”。

次に、トゥイーターの取り付け場所として浮上するのは、“ダッシュボードの上”だ。ここに関してはどうなのだろうか。

松下「ダッシュボード上に取り付けることの第一のメリットは、手間をかけずに装着できることですね。スピーカーに“マウント”が付属していれば、簡単に取り付けることが可能です。

そしてこの方法には、さらなるメリットが存在しています。それは、場所と角度を後からある程度自由に変えられることです。

角度によって聴こえ方は変わりますし、角度の決め方にはいろいろな考え方やノウハウがあるのですが、ダッシュボード上に取り付ける際は、それらを1つ1つ、音を聴きながら検証できるのです。

場所についても、奥に付けるのと手前に付けるのとで、聴こえ方は変わってきます。奥に付けると、サウンドステージの奥行きを出しやすくなりますが、フロントガラスに近づくので反射の影響を受けやすくなります。また、手前か奥かを選ぶことで、ミッドウーファーとの距離差が少ない場所を探すことも可能になります。これらをいろいろと試せるのは、ダッシュボード上にポンと置く、この取り付け方だけですね。

逆にデメリットとなるのは、高さの自由度がないことです。高さによっても音が変化しますが、ダッシュボードの上に置く場合には、高さを変えることはできません。

もう1つ細かなことですが、ダッシュボードを傷めやすい、という心配もありますね。固定のための両面テープも案外強力ですし、パネルとパネルの合わせ目にコードを通すことになるのですが、この部分にも余分な負荷がかかります。それぞれ大きく心配する必要はないのですが、敢えて言うならば、このようなデメリットも存在しています」


■音質を優先させるなら、“ミラー裏”か“Aピラー”がベター。

最後に、トゥイーターをカスタムインストールする際の選択肢となる、“ミラー裏”と“Aピラー”について、それぞれのメリット、デメリットをお訊きした。

松下「音的なことでもっともおすすめなのは、“ミラー裏”、もしくは“Aピラー”、このどちらかです。一旦取り付けたら、後から位置や角度を変更することは難しいのですが、取り付けにあたっては、角度は自由自在に選べます。

“Aピラー”に取り付ける場合には、高さの自由度も広がります。できるならばトゥイーターは、耳の高さに付けられるとベターです。そうすることによって、サウンドステージを目の前に持ってきやすくなるんですよ。耳の高さより下に付けると、どうしてもサウンドステージを見下ろす形になりがちですから。

対して“ミラー裏”には、左右の幅を稼げる、というメリットがあります。“Aピラー”に付けるのと比べて差は少しだけですが、この少しの差が、大きな差となり得ます。車内はそもそも横幅が狭いですし、特に運転席側のトゥイーターは、少しでも外側に寄っているほうがサウンドステージを幅広く表現しやすくなるんです。

なお“ミラー裏”には、視界に入りづらい、というメリットもあります。これがどうしてメリットになるかと言うと…。

ステレオを理想的に再生できると、スピーカーの存在は消えていきます。スピーカーから音が出ている感じはせずに、ただサウンドステージが目の前に広がる、という聴こえ方になるのです。“ミラー裏”にトゥイーターを取り付けた場合、そもそもトゥイーターが視界に入りにくいですので、スピーカーの存在が消えやすくなるんですよ。“Aピラー”に付いていると、どうしてもトゥイーターが目に入りますので、そこから音が聴こえてくることを意識しがちになりますよね。

とはいえこれは、“ミラー裏”に取り付けた際の副産物的なメリットですから、これを優先して考える必要はないと思います。

また、2ウェイか3ウェイかによっても、考え方が異なってきますし、トゥイーターの取り付け場所を選択する際には、いろいろな要素がからみあってきますよね。何を優先すべきかをショップとよくご相談されながら、ご自分にとってのベストを見つけていただきたいと思います」


いかがだったろうか。トゥイーターをどこに設置するかで仕上がりの音にも影響が出てくることを、ご理解いただけただろうか。

ただし、ベストはその都度変わってくる。取り付け上の都合、音的な利点、不利点、それらを天秤にかけ、楽しみながら、トゥイーターの設置場所選んでいこう。

さて次回もまた、トゥイーターについての研究を重ねていく。次は約1週間後に掲載予定だ。お楽しみに。
《太田祥三》

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