雪がめったに降らない地域では、スタッドレスタイヤやタイヤチェーンを持たないユーザーが多く、降雪時には、ノーマルタイヤ装着車の「立ち往生」や「スリップ事故」が多発してしまう。雪道におけるノーマルタイヤやスタッドレスタイヤ等の「登坂テスト」と「旋回テスト」についての、JAFの検証動画を紹介しよう。降雪時、ノーマルタイヤではカーブを曲がれきれず、対向車線にはみ出したり、路外に逸脱する恐れがあるので、スタッドレスタイヤやチェーンを必ず装着したいもの。冬タイヤでも傾斜や路面状況によっては上れない場合があるので、過信は禁物だ。◆登坂テスト編「登坂テスト」の実験では、前輪駆動のコンパクトカーを使用して圧雪路の坂道(勾配12%及び20%)を上れるか、6種類のタイヤで検証した。各勾配で「平坦路から発進した」場合と、「坂道の途中から発進した」場合でテスト。圧雪路とは別に、氷盤路の坂道(勾配9%)でも、スタッドレスタイヤとスタッドレスタイヤ+チェーンで、「平坦路から発進した」場合のテストを行った。【実験結果】ノーマルタイヤでは勾配12%の雪道でさえ上れない!テスト結果表は以下の通りで、ノーマルタイヤは平坦路から発進するテストの勾配12%と20%、坂道の途中から発進するテストの勾配12%と20%と、登坂テストのすべての項目において上ることができなかった。一方、スタッドレスタイヤは、平坦路から発進し勾配20%の雪道を上るテストで唯一上ることができたが、坂道の途中から発進した場合では、スリップしてしまい坂道を上れなかった。◆旋回テスト編「旋回テスト」の実験では、前輪駆動のコンパクトカーを使用して圧雪路の円周コース(半径20m)を15km/hから周回し、速度を5km/hずつ上げ、カーブに沿って曲がれるか、車の挙動を4種類のタイヤで検証した。【実験結果】チェーンでもスピンする可能性もあるスタッドレスタイヤは、40km/hまでパイロンから極端に離れず、安定して走ることができたが、ノーマルタイヤは、30km/hでパイロンに沿って走ることができず、大きく走行ラインが膨らんだ。また、チェーン装着車は、前輪と後輪のグリップバランスの差が大きく、30km/hで急に後輪が滑り出し、前輪を軸にスピンしてしまった。
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