業種の枠組みを超え、自動車のアフター業界の活性化を目的とする「オートアフターマーケットサミット2017」が16日に行われた。車体整備業界からBSサミット事業協同組合の藤野利浩副理事長、車両整備業界から全日本ロータス同友会の室谷眞一常任相談役、小売用品業界からオートバックスセブンの住野公一相談役が登壇し、それぞれの視点からテーマに沿って意見が述べられた。自動車業界が「端境期(はざかいき)」にあることが強調された今回のサミットでは、3つのテーマについて意見を交換。まずは『自動運転時代のアフターマーケット』という技術面の課題が挙げられた。藤野氏は「増え続けるセンサーやカメラなど、(車体は)我々の想像以上の速さで変化をしている。新たなものに対応するよう設備や技術の研鑽(けんさん)はしているが、それがあるからといって仕事が入ってくるわけではない」と、車体整備業が今後抱えるであろうジレンマを語った。続いて『事業承継と人材育成』という問題に話が進み、登壇者は自らの経験談なども引き合いに出し、後継者育成の難しさや対応策についてアドバイス。その際には、最近実際に事業を継いだ聴講者にマイクを渡して“生の声”を聞き出すシーンもあり、壇上と会場一体で経営をするうえで避けては通れない問題を考えた。最後の『勝ち残っていくために』というテーマでは、「多角経営」や「他社との連携」といったキーワードとともに今後のビジネスモデルの方向性などが提示された。開場とともに多くの人が流れ込んだ会場には、最終的に450人超の聴講者が集結。登壇者同様、参加者も様々な業種で構成され、普段触れる機会の少ない他業種の話に真剣に耳を傾けていた。最後は「社内外問わず、もっと若い人たちでガツガツやってくれる人が出てきて欲しい。アフターマーケットが元気になるお手伝いをしていきたい」(藤野氏)、「一歩踏み込んだ業界のなかで、それぞれの人達が幸せになるための育成が重要。様々な団体に入り、色々な人と交流をしてもいい。人を育てることに、最大限の力を使って欲しい」(室谷氏)、「自分は何屋かという自己規定と、どこへ行くかというビジョン。この2点が重要」(住野氏)という言葉で会が締めくくられた。
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