「街あっての会社」…栃木の若き修理工場社長が取り組む地域活性化 ユサワ自動車 | CAR CARE PLUS

「街あっての会社」…栃木の若き修理工場社長が取り組む地域活性化 ユサワ自動車

イベント イベントレポート
「街あっての会社」…栃木の若き修理工場社長が取り組む地域活性化 ユサワ自動車
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「実は父は“この街で1番になる“というのを掲げていた。それも大切だが、私の中では“街の人の安全・快適なカーライフにどのぐらい寄与できるか”を一番に考えている。この街がなかったらウチもない。その心意気でやっている」。そう語ったのは、人口わずか6127人(2019年10月現在)の栃木県西方町にある「ユサワ自動車」の湯澤孝典代表、若干35歳だ。

過疎化や高齢化は今や日本のどの地域でも避けられない課題。クルマに限らずどんなビジネスも、これまでと同じ形態では市場の縮小によって立ち行かなくなってしまう。同時にインターネットが普及し、ウェブ販売・集客を活用すれば必ずしも地域の商圏にこだわらなくても商売できる時代でもある。

そんな中、湯澤代表はハートウォーミングな顧客サービスとITを活用した業務効率化により、街との共存共栄に果敢に取り組んでいる。





◆世代を超えて受け継がれる「恩返し祭」

11月16・17日、澄み渡る秋晴れの中同社で毎年恒例の「恩返し祭」が開催された。一般ユーザーへの還元の想いを込めた年に1度のイベントで、今年は台風19号の影響で例年の10月中旬から延期開催。被災した車両を預かるスペースの都合で規模を縮小し、開催期間も1日間から2日間となった。



とはいえ今年も、落語やサーカス団による催し物に、焼きそばやわたあめといったフードの無料提供、タイヤやオイル交換のキャンペーンと、大人も子どもも楽しめる盛りだくさんな内容。2日間合計で351人の来場で、例年の600人超から比べると減少したものの、同社のある真名子地区の人口が1094人(2019年10月現在)であることを考えれば、その規模の大きさが伝わるだろう。運営に携わるスタッフも40人程に上り、17人の同社スタッフ以外は地元協力企業からの応援というところにも、地元からの厚い信頼が窺い知れる。






このイベントを取り仕切る湯澤代表は、3年前に先代社長である父から会社を継いだ。恩返し祭について、「お客様にどれ程喜んでもらえるかが最大のポイント。例えば同じ予算でノベルティを配布したとしても、お客様の印象には残りづらい。年に1回の機会だが、来場者の印象・満足度は高いハズ」と言葉に力を込める。

そんな想いを胸に来場者一人ひとりと挨拶を交わすためイベント中、会場に立ち続ける湯澤代表。特に近年では、未来を担う子ども世代の来場も増えているそうで、「先代の父が2001年に開始して以来19回も続けている。かつて子どもだった来場者が今では自分のお子さんを連れてきて、『将来ウチの子を頼むな』とお声がけいただけたのは嬉しかったね」と笑みをこぼす。



実はこの恩返し祭は、ちょうど冬シーズンの到来を見据える時期で、冬用タイヤへの買替の絶好のタイミングにもなる。同社ではタイヤ預かりサービスと合わせて自社顧客のタイヤの保有状況(冬タイヤの有無や経年数など)を管理しており、冬用タイヤが必要な顧客に個別に案内。「格安を売りにする量販店もあるが、弊社は“安さ”で勝負しない。適切なタイミングに適切なメリットを提供することで、“安さ”で勝負せずともお客様の方から買いに来てくれる」と、自社が築き上げている顧客との良好な関係性にも自信を示す。





◆顧客への恩返しを実現する裏方業務の高効率化

こうした純朴な顧客サービスを実施するユサワ自動車。田舎の修理工場でアナログな温かみがあるというとローテクなイメージがつきまとうが、実は湯澤代表はITやウェブサービスを積極的に導入し、業務の効率化も推し進めている。

例えばクレジットカードやPayPay(ペイペイ)といったキャッシュレス化。この現代において、いまだに現金決済のみという修理工場が多い中、顧客の利便性向上と同時に、現金管理という経理業務のコスト削減を図っている。また、キャンペーンなどの情報発信や問い合わせ対応、入庫予約などの窓口としてLINE(ライン)公式アカウントも運営。1度利用した予約客は次回以降も使う傾向が高いそうで、電話対応などの負担軽減に寄与している。こうして生み出される利益がまたユーザーに“恩返し”として還元されているわけだ。



さらに、先日の猛威を振るった台風19号被災の際は、地域でどこよりも早いロードサービスを実現すべく、湯澤代表自信がグーグルマップなどを駆使して自ら陣頭指揮。「被災者から『同じ状況の他の人より早く来てくれた』とお褒めの言葉をもらった。もちろん災害自体は不幸でしかないが、そうした時こそ最大限にサポートすることが使命だと思っている」と語る。

被災車両の買替や恩返し祭での受注で今月、創業以来過去最高の車両販売台数を記録。その裏側には、そうしたユサワ自動車の手厚いサポートによって積み重ねられた、街の人々からの高い信頼があるのだ。街や自動車修理業の未来を憂う伯父の言葉に対し、「僕がいる限りは大丈夫」と応えるその言葉には、冗談交じりながらも確かな本気と地元愛が込められている。




今日では都市部も含め、日本中の多くの地域で過疎・高齢化が避けられず、効率化を追求する大企業は必然と大都市にサービスを集約する。ユーザー側が何も考えずに宣伝力の強い大手資本やウェブのサービスばかり利用していると、自分たちの街から企業がなくなり、結果的に不便な日常が強いられる可能性も。今の時代だからこそ、ユーザーも「街と生きる地元企業」を改めて見直してみても良いのかもしれない。
《カーケアプラス編集部@相原駿》

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