【ダイヤトーンを聴く】Part.8 サウンドを進化させる試みを、約10年にわたりコツコツと実践。その中心にあったのは…。 | CAR CARE PLUS

【ダイヤトーンを聴く】Part.8 サウンドを進化させる試みを、約10年にわたりコツコツと実践。その中心にあったのは…。

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三菱・アウトランダー(製作ショップ:サウンドステージ<香川県>)
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高機能カーオーディオメインユニット『DIATONE SOUND.NAVI』を擁する国産実力カーオーディオブランド、「DIATONE」。同社の製品を搭載するプロショップ・デモカー、あるいはユーザーカーを取材し、その“音”と“コンセプト”をお伝えしている。

そしてそこから、カーオーディオの面白さや奥深さにも迫ろうと試みている。今回はその8回目として、『DIATONE SOUND.NAVI』とともに、ディープにカーオーディオライフを楽しんでいる好例をご紹介しようと思う。

向かった先は、『第2回ハイエンドカーオーディオコンテスト』が開催された静岡県掛川市『つま恋』。そこにエントリーしていた、山崎健一さんの、三菱・アウトランダー(製作ショップ:サウンドステージ<香川県>)の音をじっくりと聴き、山崎さんのカーオーディオへの情熱をたっぷりとお訊きしてきた。


■「もっと良い音を」。その思いでスピーカーを換え、カーオーディオライフが静かにスタート…。

最初に、アウトランダーに搭載されているシステム構成をご紹介しておこう。メインユニット兼プロセッサーとして使用しているのが、『DIATONE SOUND.NAVI・NR-MZ100PREMI』。フロント3ウェイ+サブウーファーを構成するスピーカーはすべて、イスラエルの「モレル」の上級モデルで統一している。そしてそのフロント3ウェイをドライブするパワーアンプは、『DIATONE SOUND.NAVI』の内蔵パワーアンプ(サブウーファーを鳴らすのには、『カロッツェリアX・RS-A99X』を使っている)。

このシステムで注目すべきは、ハイエンドスピーカーを使いながらも、フロント3ウェイを鳴らすのに外部パワーアンプを使わず、“内蔵アンプ”を活用しているところ。ここにはとあるわけがある…。

それを説明するために、山崎さんのカーオーディオ遍歴を、じっくりとご紹介していこう。

山崎さんの初めてのカーオーディオ体験は、今から約10年前にさかのぼる。クルマの中でもっと良い音を聴きたいという思いがわき起こり、とあるアメリカンブランドのミドルグレードスピーカー(定価約8万円)に換装したことがすべての始まりだ。そのスピーカーは山崎さんの期待に応え、カーオーディオユニットを換えることで得られる楽しさを味わわせてくれた。

山崎さんはそれを2、3年使用したのだが、そうこうしているうちにさらなる高音質を欲するようになる。次には、ヨーロッパブランドの“ミドル・ハイ・グレード”スピーカー(定価約12万円)を気に入り、フロントスピーカーのステップアップに踏み切った。

そのスピーカーの音は、山崎さんをさらに喜ばせた。今度はそれを、約5年間使用したという。途中クルマを替えても、スピーカーだけは移植し継続使用した。

そして2013年の秋、契機が訪れる。『DIATONE SOUND.NAVI』の2代目モデル、『NR-MZ80シリーズ』が登場し、それを搭載したメーカーデモカーが、山崎さんの通うカーオーディオプロショップ、“サウンドステージ”にやってきたのだ。

その音を聴いた山崎さんは、かつてないほどの衝撃を受けたと言う。そして『NR-MZ80PREMI』を導入することを即決する。

ちなみ山崎さんは、件のヨーロピアンスピーカーを導入した後に、外部パワーアンプを導入していた。カーオーディオ愛好家として、本格システムを構築するまでに至っていたのだ。

ところが…。『NR-MZ80PREMI』の導入に際して、一旦、外部アンプの使用を止めてみようと考えた。理由は、『NR-MZ80PREMI』の内蔵アンプの性能に感動したから、だ。「このメインユニットの内蔵アンプでどこまでいけるか」。山崎さんに次なるテーマが浮上した、という次第なのである。


■倍音が幾重にも重なり、言いようのない心地良さが鼓膜を刺激する…。

以来、試みは進化していく。2015年の秋には、初のフルモデルチェンジが実施された『DIATONE SOUND.NAVI』の4代目モデル『NR-MZ100シリーズ』がセンセーショナルに登場し、その性能向上の度合いに度肝を抜かれ、まずはそれへの換装が実施される。さらにそのタイミングで、スピーカーも新調。現在使用中の「モレル」を2ウェイの状態でビルトインしたのだ。

そうしていよいよ今年の6月に、システムは現在の状態への完成をみる。『DIATONE SOUND.NAVI・NR-MZ100PREMI』の内蔵アンプで鳴らす、山崎さんにとっての理想のシステムが出来上がったのだ。

さて、その音がどれほどのポテンシャルを携えているのかを確認させていただいた。

試聴トラックを流し、一瞬の出音で感じたのは…。“質感の高さ”、だった。情報量が多く、解像度が高い。そして各楽器の音色に倍音が幾重にも重なって、豊潤な響きを生み出している。耳当たりがこの上なく心地良い。倍音が豊かに響いているからこそサウンドにコクが出て、それが鼓膜をくすぐるのだろう…。

次にクラシック音楽を聴いてみると、ホールの空気感が的確に再現されていることを感じ取れた。その上で、ステージの立体感のリアルさにも唸らされた。メインユニットの内蔵パワーアンプでここまでの表現力を示せているあたり、さすが『DIATONE SOUND.NAVI』と言わざるを得ない。

なお、山崎さんは次なるステップアップとしていよいよ、外部パワーアンプの導入を視野に入れている。それを考え始めたのは、現状の音に不満があるから、ではない。

山崎さんは言う。「今のシステムの音に100%満足しています。そこにいよいよ外部パワーアンプをプラスして、満足度を120%にまでアップさせたい。サウンドをさらに進歩させるための“ノリシロ”を取っておいたのです。あとは切り札を切るだけ、今はそこまで来ていると感じています。楽しみですね」。

日々、心地良い音を聴きながらドライブできることがカーオーディオの楽しさであるのだが、趣味として向き合うとき、サウンドを進化させていくことにも大きな醍醐味が存在している。山崎さんはそれを、長年にわたって実践してきた。

次に、このクルマと出会うときには、サウンドがどこまで成長していることだろう…。それを聴くことが、今から楽しみでならない。
《太田祥三》

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